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2014年1月27日

レジのお姉さんに告白する

category : [仕事・職場

writer :[の]

レジのお姉さんに告白する

週末によく行くスーパーがあります。なぜそのスーパーに行くかというと、そこのレジには、Kさんというキャッシャーさんがいるからです。
私は、いい仕事をしている人を見つけると嬉しくなる性分です。職業柄、レジ業務のマニュアルを作ったこともあるせいか、特にレジについてはつい観察してしまいます。
Kさんはパートさんなのですが、その店で一番であるだけでなく、私がこれまで知っているキャッシャーさんの中で一番すばらしい!と思う人です。

第一に速い。なおかつ物腰が柔らかくて丁寧です。速いだけの人というのはいますが、この速さと丁寧さという相反する要素を、ここまで見事に両立している人にはなかなかお目にかかれません。
なぜそれが可能なのか、を観察してみました。

1.リズミカルなこと。
右足⇔左足の小刻みな体重移動が実に軽快で小気味よいのです。

2.空間構想力があること。
我が家では、週末に1週間分の食料品をまとめて買いだめするので、カゴ3つ分の量になります。その3つ分の中身を考慮に入れながら、実にうまいことカゴに収めていきます。
さらに、Kさんが詰めてくれたカゴは、袋に移すときにもとても詰めやすいのです。

3.ハートがあること。
その仕事ぶりから誠実な人柄がにじむというか、物の取り扱いや客への接し方などから、レジという仕事に真摯に向かっていると感じられるのです。本当のところはわかりませんが、"私と私の品物を大切に扱ってくれる"感じを受けます。
速いだけでハートが感じられないと、逆に不愉快になることもありますから、これは重要なポイントです。

あるとき、こんなシーンがありました。
私の目の前にかなりご高齢と思われるおばあさんがキャリーバッグを引いて並んでいて、Kさんに「直接このバッグに入れたい」と告げました。
Kさんは、品物を複数の小さめの袋に手早くつめ、その小袋をおばあさんのキャリーバッグにぴったり合うように入れたのです。カゴだけでなく、キャリーバッグの容量も一瞬で把握できるとは!
また、小袋に分けているので、おばあさんが自宅に帰ってから取り出すときに、杖をついたままでも片手で冷蔵庫に入れることができそうです。その手際と気配りに感じ入りました。もしかすると、こういうケースは事前に教育されていることなのかもしれませんが、こんな光景を目にしたのは初めてです。

Kさんのシフトを把握できているわけではないので、毎回会えるわけではありません。30%くらいの確率でしょうか。せっかくKさんのレジに並んだのに、直前で交替されるという悲劇もままあります。だからKさんに当たった日は、全品30%オフくらいのお得感を得られるのです。

「あなたの仕事ぶりは素晴らしい!」いつかその気持ちを伝えてみたいものだと思いつつ、しかしそれを言ってしまうとお互いに意識してしまうだろうし、そうなると、おつとめ品ばかり買ったりしたら恥ずかしいしなぁ、などと考えてしまってとても言えません。
Kさんのレジに並ぶのは、胸の内の密かな楽しみとしてとっていました。

あれ? これって中学の時、好きな同級生に告白するのを躊躇する気持ちに似てませんか? こくってしまうと翌日からどういう顔して会ったらよいかわからないので言えない、その内に相手は転校してしまう......、みたいな。

しかし、告白の時は突然やってきました。
その日、Kさんを見かけたのは2カ月ぶりでした。ずっとタイミングが合わなかったのです。カートを準備してからレジを確認。「あ、5番にいた!」とテンションあげて買い物スタート、そしてもちろん5番のレジへ直行。しかしあろうことか私の直前で、アルバイトの男子学生にバトンタッチ。「えー!?そんなぁ」ショックを受けた私は、思わずKさんに声をかけていました。
「Kさん!」Kさんはいきなり自分の名前を呼ばれて驚いた様子でした。
「Kさんに詰めてほしくて並んでいたんです!」 ひゃー、言っちゃったー。
新手のストーカーとか思われたらどうしよう、という思いも一瞬よぎりましたが、しかしここで言わなかったら転校しちゃう......でなくてシフト替わっちゃう。
BGMに「あの日あの時あの場所で〜」と、小田和正さんの曲が流れた気がしました(古)。

Kさんは、私の訴えに快く応じてくれて、カゴ3つ分の休み時間を削ってくれました。
そしてレジを終え袋詰めしていたときに、紅潮した笑顔で挨拶にきてくれました。

その後、Kさんは新人の教育係になり自分でレジを打つことは少なくなりましたが、私のときだけ、さりげなく新人さんと交替して、直接レジを担当してくれます。
新人さんには「すみませんね、Kさんのファンなものですから」と私からその理由を伝えました。これってOJT上かなり貢献してるんじゃないでしょうか。

だから青少年諸君! 勇気を出して告白しよう、あたってくだけろだ!......って、そういう話でしたっけ?

まぁ、こんな変わった客もいるのです。
でも、産業教育業界にいてOJTに注力してて業務マニュアル作っている自分だから、特別に感じること、ではないと思うのです。そこで働く"人"の仕事ぶりを、やはり客は見ているし、言葉にしなくても感じていると思うのです。
仕事って、やっぱり人だなぁと思うとともに、Kさんのレジのように、真摯に向かえているかな、と自分を省みたりもする週末なのでした。


かご3つ分
かご3つ分の幸せ
全品30%offに匹敵!?

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