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ある日の事でございます


[に] 日常生活

御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。

とは芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の書き出しですが、
7月の終わりに上野の不忍池に蓮を見に行ってきました。

9月も後半に入った今更書く記事ではないかもしれませんが、せっかく写真も撮ったので、夏の思い出として残しておこうと思います。

私は今まで本物の蓮をきちんと見たことがなく、なんとなくの想像で、池を上から覗き込んだ先にぽつりぽつりと花が咲いているのだろうと考えていました。
しかし実際は水面よりはるか上、自分の胸元に迫る高さに茎と葉が生い茂り、拳ほどもあろうかという花がそこかしこに顔をのぞかせていて、広大な不忍池を埋め尽くす蓮の力強さに圧倒されました。
後日調べたところ、私の想像上の蓮(円形に切り込みのある葉と水面に咲く花)は睡蓮で、二つは違う植物なのだと知りました。蓮はヤマモガシ目ハス科、睡蓮はスイレン目スイレン科と、分類も違うそうです。
長年勘違いしていましたが、蓮池は意外と緑が賑やかな場所なんですね。

御釈迦様もこんな風にお散歩していたのかな、などと思いながら美しい花を眺めて歩きます。
不忍池には蓮観察ゾーンがあり、池の上に遊歩道が敷かれているので蓮を間近で見ることができます。
休日でしたがそれほど混雑しておらず、ゆっくりと楽しむことができました。
ただし、観察ゾーンには日陰となるものが全くないので、晴れた日には帽子か日傘を持って行ったほうが良さそうです。その日も酷暑の最中だったため、午前中にも関わらず強烈な日差しにクラクラしてしまいました。

眩い日光に照らされて咲く蓮の花の形は不思議なほどに整っていて、緑の葉との対比もあって輪郭がパキッと決まっている感じがします。
その造形の見事さを見つめている間は暑さを忘れてしまう、夏に似合う花だと思いました。

お昼過ぎには花が閉じてしまうので、休日にちょっと気合いを入れて早起きをしたのですが、その分充実した朝の散策でした。
来年もまたぜひ足を運ぼうと思います。

池全体 アップ 中間
見渡す限り蓮でいっぱいです。 丸いフォルムが可愛い。 日差しが強くカメラも熱くなってしまいました。
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