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紺屋の白袴(6) 5SとCS その1


[K] 仕事・職場

5Sはレベルアップし続けないと後退する。
これは弊社で5Sの指導を主に担当している高原講師の言葉です。論理的に考えると、レベルアップと後退の間には「現状維持」があるはずなのですが、5Sでは経験的に現状維持という状態があり得ないのだそうです。

弊社は昨年から今年にかけて、非常に多忙な状態が続いていました。研修準備や制作物の納品に常に追われ、まとまった5Sの活動時間がほとんど取れない状態を半年ほど続けてしまいました。
それでも整理整頓に関してはある程度のレベルにはなっていましたし、スタッフもそれなりに5Sの意識も習慣もできてきてましたので、しばらくの間であれば各自の心がけで維持できるだろうと思っていました。ところが応急的にというか、小手先で片付ける程度だと次第にものが溢れはじめ、一旦溢れ出すと瞬く間にいろんなところに資料が山積みされるようになってしまいました。
高原講師が言うとおり、我が社でも現状維持はありませんでした。

忙しかった原因はいくつかあります。1つは物理的な人手不足です。昨年から1名が結婚による退社、さらに1名が入院と続きました。しばらくはアルバイトでつないだ時期もあったのですが、少し先に新しい常勤スタッフのあてがあったことで補充を遅らせてしまいました。
もう1つは、かなり無理だとわかりつつ次々に仕事を入れてしまったことです。しかし、いったん引き受けてしまった仕事は、穴を空けたり、遅らせたりするわけにはいきません。そうなると他のことを犠牲にしても、仕事(受注案件)優先、お客さま優先にせざるを得なくなります。

この"他のこと"の1つが5Sでした。弊社は事業の性格上、来客が多いわけでもなく、職場の乱れが品質に直接影響するわけでもありません。そのため、忙しくなるとどうしても5Sは先送りとなってしまいます。

ところが、春先から夏場にかけて忙しさ自体は同じだったのですが、忙しく頑張っている割にはどうもアウトプットが少ないと感じられるようになりました。有償でご依頼いただいている仕事はどうにかこうにかこなしていましたが、新規案件の企画提案、アフターフォロー的な業務、プロモーションや商品・ツール開発などは全く進まない状態となっていました。
何かをやろうとすると、想定より少しずつ余計に時間がかかってしまいます。ちょっとしたことですが、予定通りに仕事が終わらなくなると、中断して他のことをやるようになります。そうなると仕掛かり案件が増え、資料の読み直し、勘違い、ミス、そしてやり直しも増えてきます。また不思議なもので、みんなすごく忙しかったはずなのに、連携がうまくいかないために一部のスタッフに手待ちが発生することも出てきます。
「ムリ、ムダ、ムラ」とはよく言ったもので、相乗的に効率が落ちていっていることが実感できてしまいました。

どういう状況であれ、仕事(受注案件)優先、お客さま優先の姿勢は、当然のこととして維持するつもりでした。要員不足はわかっていましたが、しばらくの間だけ無理して乗り切るつもりでした。そのために5Sをはじめ、社内の活動を先送りすることは仕方がないことと考えていました。
ところが、5Sの状態が低下するのに合わせるように、仕事のスピードが落ち、多くのお客さまにご迷惑をかける状態になってしまったわけです。お客さま満足というのは、かけ声や責任感だけでは実現できないということを、今回あらためて実感しました。

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