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北京との再会(1)


[ち] 旅行・海外生活

5月の連休に中国北京へ行ってきました。

北京は、私にとって第2の故郷です。しかし、帰国してからは、そういう中国に対する親しみの感情を否定していたように思います。それは、身についてしまった中国的な基準や日本では悪しき習慣(例えば、舌打ちをするとか)を、日本流に合わせることが大変だったせいもあるでしょう。そして、大事には思っているけれど思わず拒否してしまう......家族のような存在であったからこそかもしれません。だから「中国にまた行きたい?」と聞かれると「7年もいたので、もう中国には飽きました。すぐに行きたいとは思いません」と答えていました。
今回中国行きを決めたのは、学生時代の友人が帰国する旨を聞き、その友人に会いに行く理由すらなくなれば、もう行かないかもしれないと思ったからです。
中国語をまだ話せるのか、理解できるのかという不安があったからでしょうか。航空券を購入した日から毎晩夢をみました。必死に誰かと中国語で話している夢です。そして、夢から覚めた後もいろんな出来事を思い出しました。小さな思い出の断片がよみがえるにつけ、改めて、7年という月日の長さ、そして私の青春そのものが北京にあったことを思い知らされます。
初めは北京へ行くことに消極的だったのに、しだいに楽しみになりました。


5月1日、いよいよ出発の朝を迎えました。
15時発の便に乗り、現地の17時半に北京に到着する予定です。
ところが、13時に成田に着くと、搭乗券の手続きカウンターで
「本日、搭乗する飛行機の到着が遅れているため、出発が遅れます。時刻は改めてアナウンスいたします。18時半頃となるみこみです。」と言われ、1000円分の食事券を渡されました。
「あと5時間以上か...」と嘆きつつも、待つしかありません。
まずは腹ごしらえと思い、レストランで天ぷらうどん定食を食べていると、どうやら同機に乗るらしい中国の人同士が話をしているのが聞こえました。
「まあ、遅れたけど、それって安全ってことよ。問題があって飛ぶよりいいわよね!」
久々の中国語とともに、かなり前向きな意見を聞いて、思わず笑ってしまい、心強くなりました。

空港内のお店をぐるぐる回ったり、本を読んだりしながら時間をつぶし、ようやく訪れた18時半。搭乗口では列を作り始め、皆、今か今かとそわそわしています。
ところが、そのときアナウンスが......
「機内清掃のためもうしばらくお待ちください。時刻は改めてアナウンスします。」
その案内にため息を漏らしながら、待ち合い席に大半の人が戻りました。私は、なんとなく戻るのも面倒なので、そのまま並びながら待っていました。10分ほど経って、「また案内いたしますので、どうぞおかけになってお待ちください。」と、乗客係から声がかかりました。「いやあ、座るのも疲れしまって」と、同じく列に並んだままだった人が答えました。それから、また30分ほど経って、「まだしばらくお時間かかりますのどうぞおかけになってお待ちください。」と言われます。「はぁ...いつ頃になるんでしょうか?」という問いに「まだ分かりません。ひょっとしたら2時間先かも......」と、いいにくそうな乗客係の返答に「そんなばかな!清掃にそんなに時間がかかるわけないだろう」と声を荒げた人も。「詳しいことはわからないんです」とお詫びしつつ、強い声に思わず涙ぐんでしまう乗客係。

そうこうするうち、
「どうなってるんだ?いつ飛ぶのだ!」と問い始める人がカウンターに徐々に集まり始めました。そしていろんな声が飛び交います。
「今日は特別な休みで、そのために帰るんだぞ!絶対今日中に帰らねばならないんだぞ!」
「見てよ、このチケットを!もともと15時なのよ、朝早く起きたのに」
と声を荒げる人。
「子供が疲れてしまう」
「私は病気で、こんなほったらかしで、体がしんどい」
と訴える人などなど。
もう堪忍袋が切れて、皆おとなしくしていません。
航空機会社もひたすら謝るばかり。カウンターにいる乗客係も理由を聞いていないようでどうしようもないようです。

そんな騒ぎが起こっても、私たちはただ待ち続けるしかありませんでした。搭乗口の扉が開くことを願いながら......
しかし、まだまだこの状態は続いたのです。

(つづく)

騒ぎ1 騒ぎ2
カウンターにつめかける乗客 説明?言い訳?頑張る機長
飛行機
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