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日本スペイン、スペイン日本


[い] 旅行・海外生活

とある用事があってスペインに行ってきました。

スペインから日本に帰ってきて、チッ、って思うポイントはもちろんいろいろあります。たとえば誰もニッコリしないし、 久しぶりに会った両親とも抱き合えない。 (スペインでは「初めまして」の挨拶でも軽く抱き合ってチュッチュッとします。 親しくなるともっとしっかりと抱き合います。だからいつも、さみしくない。)
それとか、帰りの飛行機で一緒になった、日本人の観光ツアー客たち。飛行機の時間が2時間ほど遅れてパリで待ちぼうけを食らったことに激怒していました。確かにおかげで成田から自宅までの終電を逃すともなれば、なかなか予定が狂って困ったでしょう。でもいったい旅行をなんだと思っているんでしょう。何でもかんでも予定通りに行くと思ったら大間違いです。予定を遂行するのが旅行だと思っているのなら、この人たちはもしかしたら、予定を遂行するのが人生だと思っているかもしれません。そうだとするととても恐い。あんまり申し訳なさそうじゃない機内のアナウンスに向かって、おじさんおばさんは終始いらついた面持ちで悪態をついていました。

と、こんなふうに、陽気なスペインの帰り道に日本に直面して、いろんなことにチッ、と思います。

だけどだけどね、

私は日本が大好き。日本はほんとによくがんばったと思う。この感じ。誰も日本にはかなわない、って思ってしまいます。

私の勘違いでなければ、今スペインでは日本がブームだと思います。 スペインだけじゃなくヨーロッパ全体なのかもしれないけれど。「私は日本から来ました」と言うだけで私の株が高い。 テレビをつければポケモン、バンダイ、オタク、手塚治虫、寿司、うなぎ、懐石料理、松阪牛、温泉、たけし城...... (知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、昔々日本で放映されていた「風雲!たけし城」は世界中で人気番組です)。 日本ブーム。薄々勘づいてはいたけれど、実際に出会うと変な気持ちです。だってだって、 私たちはずっとヨーロッパやアメリカに憧れるだけだったんだから! ずっとずっと、あの人たちみたいになりたくてなりたくて、結構近づいたつもりでいるけど全然だめ。そんなのが日本の運命だと思っていました。

スペインの気候はカラッとして、黄金の太陽が惜しみなく降り注いでいる。スペインの人々はその気候によく似ています。前向きで明るくて、 いつも笑っていて、全然くよくよしません。そういうスペインでは思いつきもしなかったことを私は、 日本の街の中にいると考えます。この人混みの中にいる人一人ひとり、悩んだり迷ったりしながら生きてるんだなあ、とか。 スペインでは、みんな笑っていて、 誰も真剣に悩んでなんかいないみたいに思えました。そんなはずはないんだろうけど。日本では、みんなグチャグチャと、 何かを思い悩んだり劣等感に苦しんだりしながらなんとか必死で生きてるって感じがするのです。雑踏の中で、各自のそんな気配を感じて目が回りそうになってしまいます。

私が日本が好きなのは、そんなだからです。弱者の強み、劣等感や悩みから生まれるパワー。ヨーロッパはアジアにはかなわないって思ってしまう。

ヨーロッパの人たちの、あの好奇心に満ちたまなざし。奇妙でしかたないでしょう。 ヨーロッパ文化に飽きてきた時に日本文化の突拍子もなさを発見してあの人たち、ほんとにびっくりしたのでしょう。

「日本みたいになりたい」なんて思っていないはずです。だけど心魅かれていると思う。すごくおもしろいんだと思う。 私にはそんな奇妙な日本がうれしい。先輩たちが劣等感に悶々としながらがんばったからだと、勝手に思うのです。

スペインのあの陽気さ、余裕、太陽までもが味方をしているみたいなお天気。あの感じがとっても大好きだけど、

日本っていいな。そう思う。

パエリア パエリア2
本文とは全く関係ありませんが、スペイン料理といえばパエリア。
写真は友人のシルビアちゃんがパエリアを作ってくれているところ。
ちなみにシルビアちゃんはキャンディキャンディが日本語で歌えるのが自慢です。私は歌えません。
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