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祖父の死とともに感じたこと


[よ] 日常生活

毎年8月は、原爆記念日や終戦記念日に関連したニュースや番組が放映されます。日本に生まれ育ち、平和な環境で暮らしている私も、この時期は遠い戦争時代に思いを馳せ平和な時代に生かされている運命に感謝しています。

この夏、私の祖父が亡くなりました。90歳でした。
代々続く百姓の長男として生まれ、一生農業に従事した日々でしたが、戦争時代を免れることはできませんでした。
海外に出兵しましたが、なんとか命をつなぎとめ帰国。その後、広島に原爆が落とされたとき、爆心地から15キロほど離れた自宅は、直接被害はありませんでしたが爆撃の強い振動で障子が曲がったと聞いています。
被爆時に広島市内にいた親戚を探し、被爆直後の爆心地付近を歩き続けた祖父は、被爆者として原爆手帳を持つ一人でした。決して自分から戦争や原爆について語ることはありませんでしたが、生き証人の一人だったと言えるでしょう。

そんな広島で生まれ育った私は、小さいころから原爆記念日は特別な日でした。
学生時代は、夏休みの登校日は必ず平和学習でしたし、宿題には必ず平和に関する課題があり、原爆に関する記事を集めてスクラップにしたり、本をたくさん読んだ記憶があります。
地方のテレビ局や新聞社も原爆に関するニュースでもちきりですし、被爆時刻の午前8時15分には、歩みを止め合掌し祈りを捧げる人々、それが当たり前の風景でした。
しかし広島を離れた今、そのような風景を探すのは難しいことになってしまいました。全国版のニュースでは原爆に関するニュースは広島に比べると短くて簡単な気がします。

そんな中、先日あるニュース番組で、被爆された女性(祖父と同様90歳)が原爆の悲惨さを語り続けている、という特集をしていました。命ある限りこの経験を後世に伝えていきたい、平和の大切さを伝えたい......と。

原爆手帳は持っていませんが、私の父(当時1歳)も親戚を探し歩く祖父に背負われ爆心地付近にいた一人。そんな父の娘として、何か後世に伝えることができれば......。
祖父を亡くした寂しさとともに、そう強く感じた夏となりました。

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