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卒業式と袴と生涯2度目の活躍


[の] イベント

社内で催している中国語教室の先生(兼アルバイト)のXUが、先日慶応大学を卒業しました。
上海からの留学生ですが、中振袖に袴という純和風な出で立ちで。

それは去年の忘年会の時のことでした。
「卒業式に袴をはいてみたいけど、高くて......」というXUの言葉に、ようし任せなさい、そんなら私のを貸してあげるから、と酔った勢いで調子のいいことを口走った私。
いっそ記憶をなくすほど酔っていたらよかったのかもしれませんが、そんな無茶な飲み方はとうに卒業しているため、翌日もはっきり記憶に残っておりました。「ほんと!?」というXUの嬉しそうな笑顔もくっきり浮かびます。

しかし冷静になって考えてみると、......ちょっと待てよ。
確かに中振袖と袴一式はあったはず。大学卒業当時、母親は末代のことまで考えたのか、袴をしつらえてしまったのです。私は「もったいないからレンタルで十分!」と反対したのでよく覚えています。
しかし数えるのもおぞましい○○年も前のこと、果たしてちゃんと保管されているでしょうか?まずはその点が不安。

そして何より体型の問題があったのでした。XUは身長が170cm近くあってモデル並みのプロポーション。ちんちくりんの私の着物が土台合うわけがないのです。アルコールのせいで、その肝心なポイントが甘くなっておりました。「だーいじょーぶ、なんとかなるよー。没問題!」と、ビール片手に根拠のない太鼓判を押していた気がします。やれやれ。

とはいえ、約束したからにはかなえてあげたい。どうせ貸すならちんちくりんでなくて、ピッタリサイズにしてあげたい。なんといっても生涯一度の晴舞台(しかも外国)ですから。

さて、年が明けて帰省した際、恐る恐る母親にコトの成り行きを説明しました。
実は私、本家最後の末裔になってしまったわけで、できるだけその事実を思い起こさせたくはなかったのですが、いたしかたありません。
「孫子の代までと思って買った着物なのにお前ときたら......」と愚痴られることぐらいは覚悟しないといけないわけです。
そんな嘆きを「何言ってんのお母さん、時代はWorld Wideだよ」などと噛み合わないへ理屈でかわしつつ、一緒に着物を探すことに。

果たして、あることにはありました。
が、それを引っ張り出すためには、まず部屋の模様替えから始めなくてはなりませんでした。部屋の隅に追いやられた和タンスは、他の家具に邪魔されて引出しが開かなくなっていたからです。
開かずの引出しからやっと袴一式を取り出して一安心。ついでに、これまた二度と着ることのないであろう振袖なども、この際引っ張り出しておきました。

そんなこんなで、長い時を経てようやく2度目の太陽を見ることができた着物たち。持ち主本人はすっかり色あせてしまいましたが、着物は当時のままの風合いでいてくれたことがうれしい。
今度はキレイなお姉さんに袖を通されて、さぞ着物も本望でしょう。XUの晴れ姿をお披露目しましょう。とっても似合っています。卒業おめでとう。

卒業式1 卒業式2
※社員(入社予定含む)にはいつでも無償で貸出します。ただしモデルサイズですけど。
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