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アルバイトへのOJT

フィードバックに救われて

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住宅メーカー一般事務(女性)  2013-09-20

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フィードバックに救われて

大学時代に、選挙運動の車上運動員、いわゆる「ウグイス嬢」のアルバイトをしたことがあります。そのときに受けたOJTについて書いてみようと思います。

当時、はかなくもアナウンサーを夢見、放送部に所属していた私は、地方都市ではありましたが少しでもそれに近いアルバイトを探していました。
そして、同じくアナウンサー志望の友人(彼女は卒業後、見事に地方のアナウンサーになりましたが)のコネで、ある事務所に登録しこのアルバイトをすることになりました。
事前に面接を兼ね事務所に行き、顔合わせと簡単に業務の説明を受け、その事務所からは社長のA氏(女性:元地元局アナウンサー)と、大学生アルバイト2名(うち1名は私)ということを知らされました。もう1人も同様にアナウンサー志望のようです。
社長は私の親と同世代、そして何より「元アナウンサーである」という憧れもあり、年齢、キャリア、どれをとっても敷居が高く非常に緊張しましたが、社長はそれを察してか、しがない大学生の私にもフレンドリーに接してくれたのを覚えています。

いよいよ初日となりました。
その立候補者のスタッフはいくつかの事務所から数名ずつ派遣されており、わが事務所の社長以外は見知らぬ顔ばかりでかなり不安。
私はこの仕事の経験はなく、OJTを受けながらいきなり本番が始まりました。
事務所で軽く発声練習、それから白い手袋をつけての車中からの手の振り方や笑顔の練習などを行うと、5−6名が1グループとなり選挙カーに乗り込みます。しかし、具体的なセリフなどについてはまだ説明を受けていなかったので、不安でいっぱいでした。

すると、社長が「まずは私から始めるからね、よく聞いてとにかく覚えてね。あとはまねをしながら話すうちに、少しずつ上達すると思うから」と言うと、大ベテランのアナウンスが始まりました。「みなさま、おはようございます。こちらは○○党からの立候補、○○○○でございます。あ、遠くから手を振ってのご声援、ありがとうございます!とても心強いです!ありがとうございます」さっそくアドリブも入り、完璧です。
初心者の私にはいきなりの応用編で、すでに自信喪失......ですが、その習得はまた後ほどということで、まずはとにかく基本のセリフを覚えていきます。

そして、特に初心者が気をつける重要点は以下とのこと。

・立候補者や政党の名前は絶対間違えないこと→うっかりミス防止に、政党名と立候補者名は、車中の目立つところに大きく貼ってあります。
・休憩や交替のときはマイクのスイッチを必ず切って、私語が車外に流れないよう細心の注意を払うこと。
・別のスタッフの番のときも、マイクが私語を拾わないようなるべく小さな声にすること。
・立候補者の名前は、はっきりと何度も連呼して、とにかく覚えてもらうこと。
・いつでも誰かに見られていることを意識し、常に窓から笑顔で手を振ること。

確かに指摘を受けないと気づかないことばかりです。無意識のちょっとした失態が立候補者の勝敗に関わってくるので、責任重大。特に私の声は普段からとても大きく響きやすいので、かなり意識しないと小さな声になりません。12時間、緊張しっぱなしの日々が数日続きました。

さて、私の前に何人かのアナウンスを聞き、いよいよ私の番となりました。
マイクを握りスイッチを入れて、大きく息を吸うとスタート!
とたん、自分の声が辺りに響き始めました。しかしその声は自分の声とは思えない甘ったるい、はっきりとしない滑舌で、これでは立候補者の選挙にかける思いを代弁しているとは言えないのでは?!いくら初めてとはいえ、きっと他のスタッフもそう思っているだろうな、と自分に腹立たしい思いでしたが、まずはセリフを間違えないほうが重要です。

30分くらいでどんどん次のスタッフに交替するのですが、私は夕方になると声が枯れてきて「ウグイス」とは言いがたくなりました。しかし他のスタッフは夕方でもきれいな声を保ち続けています。大学生アルバイトの身ではありますが、報酬を得るからにはきちんと仕事をしなくては。でも声はどんどん枯れていく。交替の時間はまだなのに、結局他のスタッフが見るに見かねて交替してくれる無惨な状態となり「残りの選挙期間無事に続けられるのだろうか......」そんな不安が頭をよぎったとき。
「座った状態でしか話せないからとても難しいんだけどね、とにかく腹式呼吸を意識して、喉からではなくお腹から声を出すように意識しないと、喉がやられて最後までもたなくなっちゃうよ」と社長はのど飴を私に手渡しながら的確に指導してくれました。
自分もスタッフとして活躍しなくてはならないのに、こんな私のために初歩的な発声指導までしなくてはならない社長。それなのに怒ることなく指導をしていただきとても感謝しています。
その後腹式呼吸を意識すると少しずつ喉の痛みも出なくなり、選挙期間なんとか勤め上げることができました。
でも、こんな頼りない私にはもう声はかからないだろうな、と思っていましたが。

ちょうどそのころは選挙が多かったのか、ほどなくして社長に声をかけていただき、再度選挙運動に参加することができました。
少し慣れてきた私は、セリフを臨機応変に話すなどステップアップを狙いたいところ。しかし、そう簡単にはいきません。
たとえばこんなことがありました。
ある団地の中を選挙カーで回っていたら、どうやら行き止まりにぶつかったようで、ドライバーは何度もハンドルを回しながらUターンをしようと試みていますが、かなり狭い道でなかなかその場から離れることができません。
アナウンスはちょうど私の担当で、周囲のスタッフの様子から「あれ?おかしいな、何か起きたかな」と察したのですが、なにせマイクを握っているため話すことに集中しなくてはなりません。
同じ場所、しかも団地のような住宅地でずっと運動を行うと、迷惑行為にもなりかねません。どうしよう?!こんなとき、気の利いたアドリブが出てきたらいいのに。
そのとき、社長はいきなり白い用紙に何か書き、私に見せました。
「お詫び→慣れない道→言い訳→少し時間がかかる→お詫び」
それを見た私は、すぐに「大変申し訳ございません。慣れない道にお邪魔したため、車のUターンにお時間をいただいております。ご迷惑かと存じますが、なにとぞご容赦くださいませ」
そのセリフが利いたかどうかはわかりませんが、住民からのクレームなく切り抜けることができました。

長時間の選挙運動では想定外のトラブルも出てきますが、そんな場面にぶつかるたびに、社長から的確な指示、指導を受けました。またそれを実行できたときは、その場で「Good!」とジェスチャーや微笑みが返ってきたり、1日の終了後に「あのときは上手に切り抜けられたね」と温かいフィードバックをいただけたり。まだまだ経験不足の私にとって、社長のフィードバックは何よりの励みとなり、少しずつ自信につながっていったのでした。
そして、セリフのバリエーションも少しずつ増え、臨機応変に切り抜けれるようになりました。

結局アナウンサーになれませんでしたが、今となっては、少しだけ夢に近づけた貴重なアルバイト経験となっています。また、初心者に指導する場合のあり方についても教えられた経験でした。


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