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リモートワークでの指導

画面の向こう側

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プロダクション勤務  2021-06-23

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画面の向こう側

最初の緊急事態宣言以来、当社も在宅勤務の体制をとっている。在宅ではできない仕事というのも多い。小口精算というのもその1つだ。本来、末締め翌月10日の払出しが原則だが、なにせ皆、1~2回/週しか出勤しないため、ままならない。

たまの出勤日はやることが多い。小口精算担当者のAさんは、出勤日にたまった伝票を片づけるのだが、申請者に払い出すのは、当の本人が出勤していないとできない。
リモートワークのシフト表を見ながらタイミングを見計るのは案外と難しい。

私は職場の責任者であるため、小口精算後に伝票をチェックし、OKであれば経理担当に回すことになっている。この日はAさんと私は2人とも出勤日だった。小口精算の伝票をチェックしていると、Bさんの伝票に目がとまった。

Bさんは4か月分をまとめて申請していたのだが、その明細のうちの1件については、すでに精算済みになっていた。しかし1件だけだったため、Aさんが「これはきっとBさんの登録が間違っていたのだろう」と思い込み、その分も払い出してしまったのだ。
後日あらためて確認すると、その1件は確かに精算済みだった。システムがからむので詳細な説明は省くが、おおむねこんな状況だ。

小口担当者は思い込みで処理してはいけないこと、不明点は必ず確認すること、Aさんにはそう厳重注意した。

Aさんとしては、たまの出勤の短い時間で、早く済ませたいという気持ちがあり、いちいちビデオチャットで先輩に確認するのは気がひけてしまったようだ。
気持ちはわからないではないが、担当者としては許されないことである。本人もその点は重々反省をしていた。

ひとしきりそういうやりとりがあった後、さて、Bさんに返金してもらわないといけない。私たちは会社からビデオチャットをつないだ。
まずAさんから、かくかくしかじかと経緯とお詫びを伝え、「すみませんが返金をお願いします」と結んだ。返金額は2,000円くらいだったと思う。
加えて、私から、「今回はAさんのミスではあるけど、Bさんも注意すべきところはあるよね。こういうイレギュラーな処理はマーカーで強調して説明をつけるとか、Bさんに直接伝えるとかしないと。そして第一に、4か月もためておかないようにね」
「......はい」Bさんの反応が今一だったので気にはなったけど、私としては用件は済んだのでビデオチャットを切った。私にとっては「決着」した。やれやれ、これでやっと本来の仕事に戻れる。

しかしこの後、Bさんはもんもんとしていたようだった。
後日、Bさんからの訴えがあった。
「あれは小口担当者のミスですよね、私はちゃんと精算済みの処理をしていました。なんで私が怒られないといけないんですか?」と。

思えばお金のことはデリケートな問題である。自分はしかるべき処理をしていたのに、まるで不正をしたかのように扱われたのではないか、そんなふうにも感じてしまったのかもしれない。
「Bさんの言うとおり、これはAさんのミスではあるよ。それはちゃんと指摘したし、本人も重々反省してるよ。でも、Bさんとしても、ミスが起こらないようにもっと配慮することができたんじゃないの?」
「......そういうことなんですか?でもこちらは何も心の準備がないままいきなりビデオチャットが始まって、わけがわからないまま注意されて......。画面の向こう側でどういう話し合いになっているかなんて、こちらはわかりませんでしたから」

そんな訴えを聞いていると、Bさんの見ていた景色がやっと見えてきた。確かに私も問題があった。Aさんとひとしきり話したうえで、結論部分だけBさんにさくっと伝えた。
Aさんも重々反省していたのだが、その様子も、画面を通してはあまり伝わらなかったのだ。話し合いによって全体が共有できたら、Bさんも自分が注意された理由も理解してくれた。

もしリモートワークでなかったら、こんなやりとりはなかったと思うし、ミス自体もなかったと思う。出社のタイミングの違い、限られた時間の中でのやりくり、そして、"ちょっとしたコミュニケーション"のハードルが高くなってしまったこと、そんなことが背景にあるように思う。マメマメ報相連すればいいだけなのだが、そこがどうも、従来のようにはいかないらしい。
リモートワークを前提に、仕組みも含めていろんなことを考え直さないといけないのかな、とも思う一方で、そもそもリモートワークって無理があるんじゃないか?とも思う。正直、管理者としては面倒なことが増えた。しかしそうも言っていられないか......。


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