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打ち合わせのない職場

社長は社長を一生懸命

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フリーランス/デザイナー・イラストレーター(女性)  2008-08-26

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社長は社長を一生懸命

専門学校を卒業して、初めて就職した会社は社員10人にも満たない小さなデザイン会社。
右も左も何が常識かも分からないまま、デザイナーの仕事への期待感だけ持って、社会人としての生活がスタートしました。
面接時の社長の印象は、とても話し好きで明るく「デザイナーとして一から育てるよ」という熱い想いまで伝えてくれる優しそうな人でした。しかし、働きだしてからの社長の態度は、その時とは別人のようになりました。

まず、挨拶をしても無視、話しかけても冷たい態度。
そして、そこで働いていた先輩デザイナーたちの活気のなさに、まず驚きました。
Macの操作も十分にできず経験もない私は、「一から育てる」という言葉はどこにいったのかと思うほど、ほっておかれていました。
先輩デザイナーからも「めんどくさい」「新人を育てるような責任を負いたくない」「なんで使えない新人を採用したのか」という想いがひしひしと伝わってきました。
それでも小さな仕事やデザインのアイデア出しを毎日長い時間かけてやり、Macの操作も見て覚え、聞いて覚えで、何とか一人で仕事ができるよう努力しました。

先輩デザイナーの毎日の帰宅時間は終電に近い遅い時間。会社に泊まることも珍しいことではありませんでした。その原因は、たんに仕事量が多いということではなく、社長とデザイナーとの間に隔たっている大きな壁によるものでした。
まず、打ち合わせがないのです。
通常デザインとは、クライアントの要望や好み、過去にどんなものを提案して喜ばれた、あるいは却下されたなどの情報、それによる新提案の方向性、戦略、さまざまな事を考慮して生まれる物です。
それを知る重要な打ち合わせがないばかりか、朝、会社に来るとびっしりと書かれた社長の鉛筆デザインラフが置かれています。それを見たデザイナーたちは、クライアントが何を求めているのかもわからないまま、デザインをしなければなりません。
質問したくても社長は営業などで外出してしまっているため聞けず......とりあえず鉛筆ラフのままデザインをし、社長に提出し翌朝出社すると、その提出したデザインカンプに赤ペンで「最低なデザインですね」や大きく×(バツ)マークが書かれて戻ってくる始末。何が最低なのか、何が×なのか、聞けないまま、また作業しなければならず、こんな悪循環はありません。
どんよりとした会社の雰囲気、そっけない社長の態度にとても質問ができる状況ではありませんでした。新人だけではなく先輩デザイナーも同じです。だから皆、何をデザインしてもどうせ駄目だろうと、たらたらと終電まで仕事することになっていました。

社長のストレスがたまったり、誰か一人が大きなミスをすると、全員巻き込んでの長い説教になりました。「デザイナー失格だ!」「最低な仕事だ!」怒鳴り散らすのはよくあり、Macを叩いたり物にあたることもありました。長いときは朝から始まり、太陽が沈みそうなほどの時間まで続くこともありました。
そんな社長の態度にデザイナーたちは病み、皆何かしらの病気になっていきました。そして次々にデザイナーたちは辞め、入社して1年が過ぎた頃にはわずか数名になってしまいました。

私は、とにかくこのまま辞めては悔しいので、自分が満足するまでは続ける決心をしました。
いつものように「最低なデザインですね」と書かれたデザインカンプを持って、社長に「何が最低なのか打ち合わせをお願いできますか?」と話しにいったのです。
すると、社長は時間をつくってくれ、どこが間違っているのか、どういう方向性なのか打ち合わせをしてくれました。その後も、ただ置いてある鉛筆ラフをそのままデザインするのではなく、それを持って社長に打ち合わせを自分からお願いするようにしました。そうすると、少しずつ仕事は順調に進んで行きました。

当時を振り返ると、社長は「教えること」ということからしたら、とことん不器用な人だったのだと思います。会社に入ったら、上司から仕事を教えてもらえるという思い込みから、はじめは戸惑いましたが、自分から「教わろう」「聞こう」と動いて行けば、そんな不器用な人からも色々なことを教わることができました。
「なんでこんな上司なんだろう」「年齢もいっている、いい大人なのに」と上司を悪く言うことは簡単です。でも、そんな人でもどうすれば上手くやっていけるのか、仕事が進んでいくのかと悩んだ揚げ句、まずは自分が変わることで物事が上手くいくことに気がつきました。そして、入社3年目には社長との大きな壁もだいぶ小さくなりました。
その後、後輩デザイナーも増え、社長にとうとう「おまえのデザインには修正を入れる事ができなくなった。デザインに説得力があるよ」と言ってもらえるまでになり、満足した私はこの会社を退社しました。

現在は、フリーランスのグラフィックデザイナーとなり、自宅で仕事しています。
営業から仕事の受注、打ち合わせ、制作、入稿、請求書作成、経理、すべて自分1人でやるようになり、社長の大変さを少し感じています。私は自分の生活費のための売上げを出すだけでもとても大変なのに、社長はその従業員の生活の責任があります。とんでもない重圧と戦っていたんだと今になって感じることができます。
ただ、私も後輩デザイナーと接して、人の上に立つ者は、その中で一番落ち着き、状況を把握し、余裕がないといけない。部下を叱るのも、その部下は叱った方がのびるのか、褒めた方がのびるのか、部下がどうすれば成長できるのか、そして感情的にならず、部下がのびのび仕事できる環境づくりも必要だということを感じました。
けれど、これらはとても難しいことです。私も人に教えるということにとても悩みました。
社長は社長の立場で、上司は上司の立場で一生懸命な人がほとんどです。「教えてもらって当然」と思っていたら、どんでん返しがいつかきます。
「教わろう」と思えば、どんな人からでも、本やネットなど身近にある物からでも教わることがあります。自分の責任で自分から動くことを忘れなければ、どう進んでもたくさんのものを身につけることができるかもしれません。


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