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ちょっとピント外れな上司

思いやりのある課長?

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販売会社(女性)  2004-11-02

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思いやりのある課長?

某販売会社の業務管理部という部門で働いていた。
法改正があったときや、取扱商品が増えたとき、業務が変更になったときなどに、各拠点にアナウンスして事務を徹底するのが、課の主な仕事だった。
よく、全国の拠点を回って説明会を行うのだが、これは1カ月の内5〜7日間くらいを占めていた。しかし、事前に説明用の資料を作成しないといけないし、帰ってきたら帰ってきたで、拠点での要望事項を整理して報告書も作成しなければいけない。おまけに通常の事務処理もたまっているし......。
結局1回の拠点回りをするために半月以上費やしてしまっていた。法改正による説明会は特に手間がかかる。
拠点回りをしていないときも、連日現場からの問い合わせに追われており、また拠点から上がってくる法律がらみの申請書類もチェックしないといけない。これらの仕事はいずれも後回しにはできないものだ。なので、いつも説明会の準備に十分に時間を割くことができないでいた。説明資料も中途半端でわかりづらいものになってしまい、誰もちゃんとそれを見てくれない。その結果としてまた問い合わせも増える......。こんな悪循環を感じていた。

説明資料さえもうちょっとわかりやすく充実していれば、毎日の問い合わせも減るのではないか。今回こそしっかり前準備しておこう。そして、今後の説明資料のひな型になるようなものを作ろう、あるとき、そう決心して早めに準備に着手した。
と言っても、日中は問い合わせや書類のチェックに追われるので、準備にかかれるのは夕方の5時を回ってからになる。
メンバーの中には、拠点回りそのものが仕事と思っている人もいて、説明資料を軽視している人も少なくなかった。そんな人は拠点回りの時期を終えるとさっさと帰宅する。いくらでもやるべきことがあるはずだけどなぁと、私は少し不満を感じていた。

そういうわけで私だけが居残る日が多くなり、10時を回ることもあった。課長も気になったのだろう。ときどき「忙しそうだね」と私のパソコンをのぞき込んだ。
「今後のために、案件別の説明用フォーマットを作ろうと思って。次の説明会からはちゃんとしたものを使いたいものですから」と言うと、「そうか、でもあまり遅くならないように。無理しないようにね」と課長。
課長も私が残っているので帰りづらいのだろう。「あと30分くらいで帰りますから」と言うと、「じゃ悪いけどお先に失礼するよ」と言って帰って行った。
課長が先に帰っても、別に何とも思いませんよ。自分は残らされているわけじゃなくて、好きで残っているんだから。みなし残業制だから残業代もかからないでしょ、と心の中でつぶやく。

ある日、そんな私を見ていた女性の後輩が「私も手伝いましょう」と申し出てくれた。それからは2人で遅くなることも多かった。
こうなると、課長も相当気になってきている様子なので、私たちのやろうとしていることについて再度説明することにした。
課長は「確かにそれはいい考えだ」とあらためて同意してくれた。この課長はわりと自由にやらせてくれるので、その点はやりやすかった。しかし、女性社員だけが遅くまで残っているということが、どうにも気にかかってしかたないらしい。他の男性社員が12時くらいまでやってても平気な顔をしているのに......。

いつも8時を過ぎると課長はそわそわしてくる。「まだやってるの?」「大丈夫?」「もうこんな時間だよ」などと言ってくる。それでも帰らずにやっていると、肉まんや焼き芋を差し入れてくれたり、帰り道におごってくれたりもした。

部下思いの課長なのかもしれない。こんな課長に対して私たちは感謝しただろうか。答えはノーだ。
課長の心配はわからないでもないが、正直うっとうしかった。そういう特別扱いもイヤだった。
ある晩、例のように課長が席にやってきた。
「ずっと遅いんだから、今日くらい早く帰ったら?」
「明日からは派遣社員への教育が始まるので、今日中にめどを付けておきたいんです。もう少しでできますから大丈夫です」もうわかったから先に帰ってよ、とちょっといらいらする。
すると課長「そうか、わかった。遅くまでごめんね」と言う。
ごめんね?いやいや別に謝られても......。

私は言葉通り、その夜のうちに資料を完成させ、翌朝課長に提出した。
「遅くなりましたけど、できました。内容を確認していただけますか?」
それをパラパラとめくった課長はひと言、
「ここまでやってくれたんだ。ありがとう!」とにっこり。

......連日の課長の過保護(?)ぶりに嫌気がさして神経過敏になっていたのか、普段は全然気にならないようなひと言にピクっと反応してしまう。
『ありがとう?いや、別に私はあなたに頼まれてやったわけじゃないし、あなたに喜んでもらおうと思ったわけでもないし。それよりちゃんと中身を見てよ。だいたい、これが本当に価値のある仕事だと思っていたなら、肉まん買ってくる前にやれることがあったんじゃないの?』
口には出しませんでしたが、表情には出ていたかもしれません。だとしても課長には理解できなかったでしょう。

全国の課長さん、知らず知らずのうちにこんな対応してませんか?
それって結構マイナス効果だっていうこと、気づいてますか?
部下を思いやっているようで、実は部下をしらけさせていませんか?
それとも私がひねくれてると思いますか?


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