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二人の上司

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金融(女性)  2006-01-19

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二人の上司

私は、以前働いていた職場で対照的な二人の上司と出会いました。二人とも、頭が良く仕事の出来る方だったのですが、全くタイプが異なっていました。そんな二人から学んだことを紹介します。

一人目の上司のSさんは、頭の回転が速く、部下を誘って飲みに行ったり、遊んだりするのが大好きな人でした。配属初日、早めに出社して机を拭いていると、「机を拭くのは課員各々が行うようにしよう。机ふきやお茶くみのために就職したわけではないだろう。その分、自分の仕事をしなさい。」と言ってくれたのです。私は、その言葉に感動すら覚え、この人についていけば大丈夫と初日に確信したのでした。
Sさんは、「新人だからまだ早すぎる」という考えが全くない方で、「新人だからこそ」といって、いろいろなことに挑戦させてくれました。ミーティングでは積極的に意見を求めたり、出張にも同行させてくれました。
パートさんにも気をつかう人で、飲み会の時には、パートさんの席の近くに座り、その場を盛り上げるような人でした。当然、職場の雰囲気も良く、この部署に配属になってよかったとつくづく思っていました。
今でも忘れられないSさんの言葉があります。「アンテナを張りなさい。仕事のためではなく、自分自身が成長するために。いろいろな人から刺激を受けて、自分を高めていかなくてはだめだよ。ただ何も考えずに働いていたら、自分が萎んじゃうよ。」
本当に、素晴らしい上司の下で働けて幸せだと思っていました。ところが、組織変更に伴い、私はSさんとは別の部署で働くことになりました。そして、次に上司になったのがAさんでした。

Aさんは、クールな印象でナイフのような頭の切れをもった人でした。Sさんとは違って、仕事の後みんなで飲みに行くというようなことは、ほとんどありませんでした。Aさんの効率を重視した考えと、Sさんの下で働いていたメンバーのチームワークを重視した考えが合わず、よく衝突もしました。また、Aさんは、パートさんたちともあまり交流を持とうとしないため、パートさんたちの評判も今ひとつのようでした。
Aさん自身がとても仕事のできる方だったので、私たちとは仕事量の認識に差があり、予定外の仕事を簡単に振られることがしばしばありました。後輩の男の子が、帯状疱疹になっても、仕事を頑張っていたことを今でも覚えています。
前の課長のSさんを尊敬しきっていたため、Aさんのやり方にはなかなかなじめず、周囲によくAさんの愚痴を言っていました。

ところが、1本の電話がきっかけで、Sさんとの関係に変化が起こりました。
Sさんの部署のパートさんから、お願いされた仕事を、うちの部署の仕事ではないからと、私が断ってしまったのです。すると、Sさんから抗議の電話がかかってきました。「うちの課のパートさんが文句言っているぞ。誰だ、電話に出たやつは?」電話の相手が私だったと知り、「何だ、お前だったのか。でも、こちらにもいろいろ事情があったんだ」と言って、電話は切れました。Sさんの部下でなくなったので、もう私の味方はしてもらえないと思い、寂しく感じました。それから、Sさんの下で働いていた時にはわからなかったことが、だんだん見えてくるようになりました。一番に感じたことは、Sさんは自分の課内を大事にするということでした。Sさんへの尊敬の念が消えたわけではありませんが、神様ではなく人間として見られるようになったという感じでしょうか。

逆に、反りの合わなかったAさんとは、少しずつうまくやっていけるようになりました。Aさんは、人付き合いが苦手なだけで、決して冷徹ではないことがわかってきましたし、課内の利益というより、会社全体の利益を考え仕事を行っているということを、メンバーが理解し、仕事の効率化を考えるようになってきたのです。何よりAさんの知識の幅広さには本当に敬服しました。そんなAさんなので、慕ってついていく部下も多くいました。退職後の今でも、メールのやり取りや当時の職場の飲み会で会ったりしているのは、Aさんの方なので、最初はあれだけ衝突していたのに、なんだか不思議な感じがします。

私は、タイプの違った有能な管理職である二人の良いところを学ぶことができて、とても幸せだったと思います。また、Sさんの下にずっといたら、わからなかったこともたくさんあったとも思っています。上司というのは、部下の働く意欲に影響を及ぼします。そして、それだけではなく、部下の生活や人生観にまで影響することもあります。私が成長できたのは、Sさんの教えの通り、この二人の上司から刺激を受けたからだと思います。


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