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マナー講師からの学び

「ありがとうございます」のその先に

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メーカー(女性)  2020-05-19

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「ありがとうございます」のその先に

マナー講師をしているA先生との出会いは、あるイベントでのことでした。気品があって美しく凛とした姿に惹かれました。企業でマナー講師として活躍されているほか、自宅を教室にしてマナーレッスンやカウンセリングなども精力的に行っていました。
「マナーを通して人となりを整える」そんなA先生のレッスンに興味を持ち、私も月に1回ほど先生の自宅である教室に通うことにしました。

レッスンは、2〜5名の少人数で行われました。1年目は、日本の文化や歳時記などの話を通して今まで知らなかったことを知り、マナーに無頓着だった私が少しずつ意識できるようになり楽しく通っていました。
2年目になるとだんだんレッスンの内容が濃くなっていきました。例えば、お中元、お歳暮については、日頃の感謝の気持ちを伝えるための大切な機会であり、物だけではなく手紙を添えることが大事です。という話がA先生からあれば、お中元、お歳暮の品を準備し、慣れない手紙にも挑戦しました。
また、教室の独特な文化となっているものがありました。それは、教室の新年会、A先生のお誕生日会です。2年目以降の生徒が幹事を行うということになっており、例にもれず、私も新年会の幹事を行うことになりました。この幹事は、自分の友人たちとの飲み会を開催するのとは訳が違います。会場を貸し切りにするために最低でも30名はお客さまを集める必要があり、当日お客さまに楽しんでもらえるようにレクリエーションを考え、景品、お土産の準備、司会の原稿作成など、やることは多岐に渡りました。この新年会では、外部の方(先生の友人や生徒の友人)も招くため、A先生は非常に重視しこだわりも強く、あらゆることに相談や確認が必要でした。
幹事となった生徒数名は、皆それぞれ仕事を抱えています。仕事の合間に連絡を取りながら、新年会の準備を進めていきました。私にとっては、かなり大変なことでした。
なぜここまでのことを生徒に求めるのか?というと、幹事を経験することによって、お客さまへ喜んでもらうにはどうしたらよいかを考えてほしい。他のイベントでも幹事に敬意を払えるようになってほしい。というA先生のねらいがありました。確かに大変ではありましたが、学ぶことはたくさんありました。
その後もA先生からの指導はますます濃いものになっていきました。またレッスンを超えて、A先生から教室の運営に関してちょっとしたことをお願いされれば、すぐに対応するよう努力しました。しかし、A先生と付き合いが深くなっていくにつれ、だんだん追い込まれていく自分がいました。

あるレッスンで「ありがとうございます」という言葉を言うことは簡単だけど、その先にさらに何ができるか考えてほしいと言われたことがありました。
何も思いつかない私に対して、A先生の答えはどうやら「相手の利益になることを探して行動する」といったことでした。その答えを聞いてピンときました。
当時、A先生はもっと教室の宣伝を生徒にしてほしいという気持ちが強く、SNSを活用して教室の楽しい雰囲気、A先生がいかに素敵かをアピールしてほしかったのではないかと思います。そもそも、SNSの発信が得意ではなかった私は、そのことについてA先生に相談したことがありました。すると、「人生は自分が主役であることを忘れずにね。まわりを気にしても仕方がないのよ。熱心に学んでいることはとても尊いことだけど、学んでよいと思ったことはどんどん人に伝えていくことも大事。それによって、あなた自身の理解も深まり、よい循環が生まれればもっと幸せがひろがっていく。素敵な考え方だと思わない?」とのこと。それはそうだと思いつつも、モヤモヤしたものがいつまでも消化できずにいました。

そして、だんだんと教室に通うことが苦痛になっていき、A先生との関係を断ち切ってしまいました。もっとA先生を尊敬する気持ちがあったなら、もっと柔軟に考えることができたなら、もっと上手に自分の意見が言えていたなら、A先生との関係は上手く続いていたのでしょうか。しかし、そのまま関係を続けていったらと思うと怖くなる自分もいます。何が正解か、答えは未だにわかりませんが、一つ言えることは、A先生からは十分教わったということです。


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