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教えることの難しさ

少年サッカー指導を通じて

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ナビゲート[ね]  2015-01-26

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少年サッカー指導を通じて

仕事の場面や大人の指導ではないのですが、「教えること」について現在ある悩みを抱えています。

プライベートで少年サッカーのコーチをしています。
ただし熱意はありますが、スポーツの指導経験の少ない、いわば素人指導者です。

チームの子どもの中に大輔くんという男の子がいます。
私は大輔くんのお母さんと知り合いで、ある日、「大輔がサッカーをやりたいと言っている」という連絡があり、私を介して入部した経緯があります。

しかし大輔くん、ものすごく反応が薄いんです。リアクションがほぼゼロ。
もともとシャイな性格でもあるようですが、話し掛けても返事をせず、なんとなくあいまいな表情を浮かべてうっすら笑うだけ。
顔をのぞき込むようにして「わかった?」と聞くと、ようやく「はぁ~い......」と、か細い声で応えてくれます。
でも問うたことを理解しているという訳ではなく、ただ仕方なく返事をしたという様子です。
この反応は私だけではなく、他コーチや保護者たちの大人全員に対しても同様で、周囲も少々いら立っている様子です。そしてすみません。私も実は少々イラッとしています。

またサッカーのプレイでも同様。ボールや相手との接触を躊躇し、懸命に追いかける様子が見られません。
ほかの子と比較してしまうと、プレイそのものに覇気を感じられないし、意図した行動がなかなか見られないため、監督や他コーチの見る目も、おのずと厳しくなってしまいます。そのため試合ともなるとどうしても控え選手的な位置づけになってしまっていました。

でも知っています。子どもだけでいる時は元気にはしゃいでいることを。そして強いボールも蹴れるし、リフティングなども結構できていることを。
私を介して入部したこともあり、いつまでも控え選手ではお母さんにも申し訳ない。それにせっかく持っている実力をなんとかひき出せないかと、いろいろコミュニケーションをはかったつもりでしたが、なかなかその状況は変わりませんでした。そして私自身、少々面倒くさくなってきたのも事実です。
しばらくして、大きなトーナメント大会がありました。
負けた時点で終了となるため、今回は勝ちにこだわっていくことを監督が宣言していました。私も楽しいサッカーはもちろん賛成ですが、試合をやるからにはできれば勝ちたい派。

それもあってかスタートは主力メンバーを中心に編成。大輔くんはベンチスタート。チームの雰囲気もノって、前半をリードして折り返すことができました。
そこで後半はこの大輔くんをはじめ、二番手のメンバーを起用することになりました。
しかし、もともとが拮抗した実力のチーム同士だったこともあり、徐々に個人の実力差があらわれ始めました。
特に大輔くんのプレイは緩慢そのものに見えました。ディフェンダー(守備主体)のポジションでしたが、そこから攻撃を受け、立て続けに失点。
なにより大輔くんは試合中、一度もボールに触りませんでした。
いつも通り、相手とボールに遠慮して距離を取り、抜かれていく相手の後ろからテレテレとついていく様子。
試合は最終的には逆転負けを喫してしまいました。前半の雰囲気から勝利を確信していたコーチ、応援の保護者たちもがっくり。
もちろんこの結果は大輔くんのせいではありません。でも本当は心のどこかでやっぱり大輔くんにイラッとしていました。

さて翌日は練習日でした。
その日、練習に来ると聞いていた大輔くんでしたが、お母さんから「足が痛いと言っているので休みます」という連絡が来ました。
昨日の試合後のミーティングで、「明日から頑張っていこうね」と話し合ったばかり。
監督、コーチたちも残念そうな様子でした。

ただ人数の関係もあり、今後チームが強くなっていくためには大輔くんの活躍が欠かせません。私も何とか大輔くんのやる気を引き出すための方法を探っていました。
ある日、インターネットの質問掲示板を読んでいると「ボールが怖い子・試合が怖い子」という記事がありました。ひょっとしてこういう心理ってこと?
でもそこに書かれていた回答よりも、私は「このままじゃ辞めちゃうかもしれない」ということにハッとしました。
私は「自分からサッカーやりたいって言ったでしょ?ホントはできるでしょ?なんでやらないの?どうやったらわかってくれるの?」にばかり注目していました。

「大輔、自分からやりたいと始めたサッカーだけど、きっとつまらなくなっているんじゃないかな。そのうち、お母さんから『やめます』って連絡が来ちゃうんじゃないかな」

そんなヤキモキした気持ちで平日を過ごし、迎えた週末。
練習に来た大輔くんをつかまえて「サッカーは楽しい?」と聞いてみました。
大輔くんは相変わらず小さい声でしたが「うん」と答えてくれた時は心底ホッとしました。

その日、私の中でも関わり方に変化がでたのか、大輔くんも心なしか活発だった気がします。
しかし現在も彼との距離をどう縮めようか試行錯誤の真っただ中です。

楽しむサッカー。でも勝ちたいという子どももいます。本人の個性や意欲、能力の違いもわかっています。私自身も正直言っていろんな気持ちが入り混じっています。

会社でも反応が薄い新人にいら立ったり、期待通りの行動や結果が出ないと、早い段階で見極めてしまったりすることもあるかもしれません。
この少年サッカー指導を通じて、教えることをもう少し考えてみたいと思います。


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