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職場での異文化交流

多国籍レストラン日記

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大学生(女性)  2005-07-13

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多国籍レストラン日記

今、都内の某エスニックレストランでアルバイトをしています。
料理がエスニックなだけではなく、お客さんも半分が外国人、スタッフも半分が外国人。トルコ人・シンガポール人・フィリピン人......と、様々な国の人といっしょに働いています。日本にいることを忘れます。良いことも悪いことも含め、毎日ネタには事欠きません。

この店はなかなかどうして、リーダーの不在、ルールの不在によるカオスです。多国籍スタッフのそれぞれが、それぞれの価値基準に基づいてサービスを行っているのです。それはエキサイティングでクリエイティブでもあり、イライラもし、店として駄目でもあります。
最近になって、このカオスを解消するべく、日本人のマネージャーが投入されました。このマネージャーが、「吸殻が2本くらいたまったら灰皿を取り替える」とか、「女性のお客さまのハンドバッグを置くための椅子を用意して、"よろしければこちらの椅子をお使いください"と促す」とか、「お客さまが出る前にドアを開ける」とか、そういうことを指導するようになりました。

お客さまが気持ち良く過ごせるためのサービス。

それはたいへん重要です。今まで誰もそれを指導せずに、スタッフたちが野放しにされていたのは問題だとは思っていました。でもそれ以上に思うのは、「何を良いサービスと感じるか」が国によって(文化によって)違うということです。日本人のマネージャーはとてもいい人で、駄目レストランに改善のきざしをもたらしてくれたと言える部分もあります。しかし、マネージャーの思うサービスの多くが、たぶん余計なお世話なのです。
これは私の意見でしかない。けれど、「荷物をここへどうぞ」と言われるまで荷物を手に持っているなんて、せいぜい日本人ぐらいなんじゃなかろうかしら。(日本人だって若い人なんかは、たぶんそこまで謙虚じゃないです)
だって外国人(それも国によるし人によるのだけれど)を見ているととても感心するのです。その人にはその人なりの考えがあって行動しているのだ、と。荷物がそんなに邪魔だったら近くの椅子を取ってでも置くし、床に置いていたらそれは床に置いても良いから置いているんでしょう。彼らは何も言われなくても自分をくつろがせるためにいろいろ自分でします。あっちの席のほうが良いと思ったらあっちの席が良いと言うし、これとこれは半分に切ってこれのソースは別にしてください、とか言います。(それは常連で特に注文の多い人ですが)
たぶんです、これはたぶんですけれど、多くの外国人は、いろいろ促されたり手を出されたり指図されることをサービスとは感じなくて、自分のペースで自分の好きなように食事をすることが一番大事だと感じている。私たちにできるサービスはむしろ、柔軟にそれぞれのお客さんのわがままを手助けすることなのではないでしょうか。

外国人スタッフたちは日本人スタッフと比べて、そういうことをわきまえています。それから、お客さんとフレンドリーに話すことの重要さを。それを、スタッフの義務としてわきまえている。日本で働いていて、そういうことの重要さはあまり感じません。サービスにおけるユーモアとか、相手の要望に合わせる柔軟さとか。愛想やユーモアと柔軟さが、真面目な献身以上に心地よいサービスを与えることだってあるのです。

スタッフの国籍もばらばら、お客さんの国籍もばらばら。こんなカオスの店では、毎日困難もありますが、学ぶこともたくさんあります。世界中の全員が共有できるルールなど無いのだということもわかります。それは途方に暮れるほど漠然とした事態ではある。けれども、ポイントさえ押さえれば事はなんとか乗り越えられるのだということにも気づくのです。その場その場をよく観察すること、誠意とユーモアを持って相手を思いやること。これらのポイントさえ押さえれば。

それでも、それでもなお、きっとお店として一貫したサービスの方針を持つことは重要なのだと思います。「どのような場所を作りたいか」という一貫した方向が決まっているべきです。そう、「ここをどんな場所にしたいのか」「お客さんに、どんな店だという印象を持ってもらいたいのか」店の印象を決めるのは、まぎれもなくスタッフ一人ひとりです。そんな当たり前のことがちゃんとしていないから、この店は料理は美味しいのにイマイチ駄目なわけなのです。リーダーの不在。(あるいは、複数のリーダーの存在。それぞれが別のことを言う)これは大きな問題です。誰に従ったら良いのかわからない。ただでさえそれは問題なのに、この店はそれに加えてスタッフの国籍もばらばら、お客さんの国籍もばらばら。
こんなときはどうするべきなんでしょう。共通点はふたつ、全員日本にいるということと、全員、ここの料理を食べているということ。ならば日本風のルールか、この料理の国のルールか、そのどちらかを、基本理念として採用するべきなのでしょうか......。

とにもかくにも、確固たるリーダー、基本ルール、各自のユーモア、柔軟さ。
これできっと、世界へ!


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