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客にクレームをつける営業

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不動産営業(男性)  2013-12-20

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客にクレームをつける営業

私は不動産業界に入って10年目の営業です。主に個人向けの不動産売買を担当しています。実は今の会社は3社目で、仕事もなかなか順調なのですが、最初の会社では右も左もわからず、今思えば、日々いろんな方にご迷惑をかけていました。
その頃の恥ずかしいエピソードを書いてみます。

最初の会社では、入社した日に仕事の概要などを教わりましたが、次の日からはほったらかしで、一人で外回りに行くことになりました。
営業のやり方なんか当然わかりませんでしたが、給料が完全歩合制だったので、契約をとれなければ、ほぼ無給です。初日にちょっと教わった先輩のやり方をマネすればいいやと思い、とりあえず担当エリアのアパートやマンションを見て回りました。どんな人が住んでるのか知りたかったので、適当な部屋をアポなしで訪問したりしましたが、たいていは留守か、門前払いでした。
そんなことを繰り返して1週間が経った頃の夜、飛び込みで訪問したアパートで、めずらしくドアを開けてもらえました。

のっけから少し不機嫌そうなおじさんでした。
「不動産会社から来ました」
「不動産会社...。どこの不動産?」
「○○○です。今度□□□エリアの担当になりましたので、
 皆さんのところをお伺いしてます」
「○○○...。聞いたことないねぇ...」
ここで、先輩から聞いた営業テクニックを使ってみました。
「数日前から何度か伺ってるんですが、いつもお留守でしたので」
もちろん嘘です。しかし、こう言えば、相手は「何度も来てもらってて悪いな」という気持ちになり、こちらの話を聞く気になるのだそうです。でも、あまり効果はなかったみたいです。
「不動産会社の営業がこんな時間に何の用?」
私は、改めてエリアの担当になった挨拶と、近くに分譲の物件が出たので、そのご案内で訪問したことを告げました。おじさんはまったく興味がなさそうでしたが、ドアを閉じようとはしませんでした。暇つぶしに、新人営業の私をからかおうとでも思ったのでしょうか。
「夕飯食べようとしてたのにさぁ、みそ汁冷めちゃったじゃない。どうしてくれるの?」
 に始まり、「だいたいその髪型って営業としてどうなの?」
「そんなしゃべり方じゃ売れないだろうなー」などなど。
対話をしていると、だんだん小バカにされてるような気がしてきました。"おれは毎日夜遅くまで外回りして、機会があればお客さんにいい物件情報を教えてあげようと思って来てるのに、なんだこの「上から」目線は。腹立つな。"そんなふうに感じていました。
私は仕事中であることも忘れ、思わずケンカ腰になってしまいました。
「なんで、あなたにそんなことまで言われなきゃならないんですか!」
相手はしばらくキョトンとしてから、すっかり不機嫌になった様子で、
「あんたは仕事で自分からここに来たんでしょう?
 なんでこっちの態度がどうのこうの言い出すわけ? ほんっとにダメな営業だなぁ」
私はすっかり頭に血がのぼってしまいました。
「あなたは自分のほうが立場が上だとでも思ってるんですか?
 いくら業者だからといって、ものには言い方があるでしょう!
 そんな性格だから、こんな部屋にしか住めないんじゃないですか?」
最後はさすがに言いすぎました。
ここまで言ったところで私は腹を蹴られ、強引にドアを閉められました。

もちろん今では、当時の自分は仕事の仕方とか営業トーク以前に、そもそも人としての良識がなかったなと恥ずかしく思ってます。でも、言い訳するつもりはないんですが、落ち着いてそう考えられるようになったのは、2つ目の会社に転職してからでした。
そこで私の指導を担当してくれた先輩との会話の中でたまたまこのエピソードを話したときです。当然私に同情してもらえると思っていたのですが、意外にも説教をされました。
「そりゃ相手が不機嫌になるのも当然だよ。夕食時にアポなしで訪問してるんだから。
 それがわかってて、こっちは話を聞いていただくんだから、もっと相手の状況を
 想像して配慮しなきゃ。お客さんの態度について文句言うなんて論外だよ」
最初の会社では結果がすべてで、やり方は問われませんでしたし、人の入れ替わりが激しくて、営業同士の交流もあまりありませんでした。今思えば、かなりブラックな会社だったのかもしれません。

でも2つ目の会社ではOJTといって、新卒だけでなく中途採用でも指導を受ける制度がありました。最初の1週間は、指導担当者の先輩にはりついて指導を受け、その後も3カ月間は、仕事に関していろいろ教わったり、定期的に相談に乗ってもらったりしました。同じ不動産会社でも、会社によってずいぶんと違うものです。
私を指導してくれたOJTリーダーが、たまたまいい人だったということもありますが、教えてもらえる、聞ける人がいるということは、それだけで気持ちが安定するものだなと感じました。最初の会社では、何もわけがわかっていなかったことに加え、毎日が不安と恐怖に包まれていて、心に余裕が全くなかったのだと思います。おじさんに食ってかかったのも、その時の自分がやるせなかったからかもしれません。
この先輩の指導を受けてからは、少し気持ちに余裕ができるようになりました。そうすると、多少は自分で自分自身をチェックできるようになるものですね。今では、常識的な仕事ぶりをしているつもりです。少なくともぶち切れることはなくなりました。
でもあの時と同じように、この先も何年か後に今の自分を振り返ったら、きっとまた恥ずかしく感じることがあるかもしれません。それが私なりに成長したことの証であればいいんですけど。


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