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上司からの信用

許すということ

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流通  2002-09-17

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古本屋のバイトの子の話です。
私が3件店を持ってたころ、一番小さな店を任せてたA君というバイトの子がいました。
感じのいい子で、私ともよく気があう明るい子でした。

A君を信用して昼間は完全にその店を任せてたんですが、 ある日の昼間、GAMEの仕入があったんです、ファミコン15本。
私が夕方、店に寄ったときに見ると仕入伝票には仕入代金5000円とあります。
仕入買取書にはその子の弟の名前で仕入れてありました。
「これ、弟君が売りにきたの?」
「はい、さっき売りにきました」
「そう・・もうちょっと高く仕入れてやってもよかったのに」
「いえ・・いいですよ。まだ学生ですから、これくらいで充分ですよ」

なんて会話をした後、その子に休憩をやってると1人の男性客が来ました。

「スイマセン、やっぱりさっき売ったGAME、売るのやめます」
「あ・・そうですか・・どの商品ですか?」
たまにあるんです。一度売った商品を気が変わって売らないって言う人が・・。

「ファミコン15本なんですが・・」
「????」
「これですか??」
「失礼ですがいくらでした?」
「500円でしたけど・・・・?お金返します」
「500円だったですか?」驚く私。
「はい、そうですけど・・なにか?」
「いえ、すいません。ちょっとお待ちください」
バイトの子がいる裏の休憩所に行くと、蒼い顔の彼がいました。

やってくれたか・・・・!!!

取りあえず、急いでお客さんにGAMEを返し、帰ってもらいました。
そして営業中ですが店のシャッターを下ろし彼を呼びます。

見た目が大人しそうなお客さんだから、商品を安い金額で買い取って、それを弟の名前で買取書にサインして、 自分が5000円ー500円で4500円着服したわけですね。

「どういうこと?」
「・・・・・・・」
「黙ってちゃぁ、わからんやろう?」
「小遣いが欲しかったわけ?」
「ちょっと大人しそうだったからって客を騙したわけ?」
「客だけじゃなくってオレのことも騙したわけやね?」
「スイマセンでした」
「謝ってもスマンやろ?」
「店の信用も、オレがお前のことを信用している気持ちもズタズタやんか!!」
「・・・責任取って店、辞めます・・・」
「そんな問題は今しよらん!」
「取りあえず、頭出せ!」

ボカ!!と思いっきり殴りました・・。信じてたぶんだけ。

「面接のときにも言ったように、現金を扱う仕事やけん、この仕事は騙そうと思えばいくらでも騙せると思う」
私は面接のときには必ず「小銭を扱う商売だから騙そうと思えばいくらでも騙せる」って実例を全員に話してます。

「けど、それをお互い、疑ったり騙したりせんようにしていこう、って約束したやろうが!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お前は辞めさせん!!ガッカリさせたぶん、ここで、まだまだ働いてもらう!!」
「ここで一人前になってから、オレが認めてから辞めれ!・・わかった?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は・・い」

内心はもう頭にきてますし、これまでもやってたのかな?とかグチャグチャですが、私の場合はまず許す!!これからです。

許したほうがきついです・・・お互いですが・・・・。

「まず・・もう二度とこういうことがない、しない!ってことは約束できる?」
「はい。二度としません」
「今日の話はもちろん他の子にも誰にも言わん! 2人の中だけの話にする」
「情けなくって言えるわけもないし、今後、今日の話はオレも二度とせん」
「そのかわり、失った信用は大きいよ、信用しとったぶん・・・」
「とにかく明日からの仕事、イヤ今日、今からの仕事で信用を取り戻すための努力がいるってことやね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから半月後くらいに3件の店の子全員で飲み会をやり、いつもと変わらない冗談やバカを言い合う。
そして、本当に私がその不祥事を誰にも話していないということを暗黙のうちに確認させました。

もちろんしばらくの間は彼のほうが萎縮して緊張してしまうし、ぎくしゃくした感じはありました。
元のような関係になるのには少々の時間が必要でしたが、いったん許した以上、後はもう一度チャンスをやり、 信用を築いていく作業を黙々とこなしていくことを、私は辛抱強く見守っていくだけですね。

その後、5年間彼は働いてくれ、ウチの社員にもなり結婚もし、子供もでき、頑張って成長したと思ってます。

許すということはある意味、面倒できついことですが、結果はどうあれお互いの成長にはなると思います。


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