No.21

業務マニュアルの記述に注意 1)時間・タイミング

公開日:2004年 04月 14日


更新日:2021年 06月 01日


category:表現/ワンポイント

マニュアルを読んでわかったつもりになっても、いざ実際にやろうとすると戸惑うことってないでしょうか。わかったようで実はあいまいな記述、社内の業務マニュアルによく見られるそんな記述の例をいくつかご紹介しましょう。

更新処理って何?

例えば、ひとまとまりの作業をくくるものとして「○○処理」「○○申請」「○○手続き」などの表記があります。時間やタイミングに関わるものとして、「開始」「終了」「○○時」「更新」などの表記があります。これらはどの企業のマニュアルにも必ずと言ってよいほど登場するものです。その言葉自体に問題があるわけではありませんが、意味があいまいなまま使われていることが多いようです。


「○○処理」という言葉は、複数の事務処理を含んでいる場合があります。 例えば「更新処理」という記述を考えてみましょう。もし業務マニュアル上に「契約の更新処理」という一文があった場合、どのような手続きを思い浮かべるでしょうか。 仮に以下のような業務が行われていたとした場合、どこからどこまでが「更新処理」なのかが判断つくでしょうか。

事務担当者が行う処理

  1. 契約満了日の2カ月前を目安に、契約管理システム【A-Sys】より該当するお客さまをリストアップし出力する。
  2. お客さまに『契約更新のご案内』と『継続・終了申込書』を送る。
  3. 『継続・終了申込書』が届いたら受付印を押印する。
  4. 『継続・終了申込書』に基づき、【A-Sys】登録画面の「継続」または「終了」欄にチェックする。
    契約内容に変更があった場合は、変更事項も入力する。
  5. 登録後、場合に応じて以下の必要書類()を出力し、営業担当者に渡す。
    申込内容 契約内容の変更 必要書類
    継続 『契約更新書』
    『契約更新書』
    『契約変更のご確認』
    終了 ? 『契約終了のご案内』
  6. 契約満了日が到来したら、【A-Sys】より『継続状況一覧』を出力し、登録済の『継続・終了申込書』を添えてマネジャーに提出する。

営業担当者が行う処理

  1. 担当のお客さまに対して『継続・終了申込書』を返送していただくようフォローする。
  2. 事務担当者より渡された必要書類()の内容を確認し、担当者印と社印を捺印のうえ、お客さま宛に郵送する。
  3. 契約満了日が到来する5日前までにすべてのお客さまより『継続・終了申込書』を提出していただくこと。

マネジャーが行う処理

  1. 『継続状況一覧』の内容を確認し、【A-Sys】の登録画面より継続状況[承認登録]の入力を行う。

更新時はいつ?

以上の例を見ると、どこからどこまでの手続きが「更新処理」に該当するのかは判断しにくいと思います。さらに「契約更新時に○○をする」などとという記述があった場合、どのタイミングが「更新時」に該当するかの判断はますます難しいでしょう。

例で言えば、"事務担当者が該当するお客さまをリストアップするとき"なのか、"継続の申込を登録したとき"なのか、"営業担当者が書類を送ったとき"なのか、それとも"マネジャーが承認登録を行ったとき"なのか......、さまざまな解釈が生じそうです。

このへんをはっきりさせておかないと、「更新」という言葉がどういう文脈で登場するかによって、あるいは人によって、とらえ方が変わってくる可能性もあります。

さて、その他のあいまいな表記として「○○経由」などもよく見受けられる例ですが、長くなったので次回ご紹介することにします。

author:上村典子kamimura

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