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業務の効率化を検討していますがなかなか具体案が見えてきません。何か良いアドバイスがあればご教示ください。

会社は今後規模の拡大により融資残が今の倍以上になる予定です。
会社は現状の人員で当面の間業務にあたると、それに伴い生産性を今の2.5倍にしなければならないというのが会社の見解です。それにあたり現場での案を具体化しなければなりません。業務時間を2.5倍にするのは人件費他社員のモチベーションの低下などが想定され長続きするものではないと考えます。私自身は業務の効率化を検討していますがなかなか具体案が見えてきません。
何か良いアドバイスがあればご教示ください。

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生産性という言葉が用いられていますが、ご質問の趣旨は以下の通りだと理解しました。

  • 金融業の管理センターで業務量の増大が予定されている。
  • 会社の試算で業務量は2.5倍になる。
  • 一方、当面は人員補充の予定はない。
  • よって、現有人員で現状の2.5倍の業務量をこなせるようにならないといけない。
  • それを実現するための具体策はないか。

これが現実的な要求かどうかは議論が分かれるところだと思いますが、ここでは考えられる方策を列挙してみたいと思います。また、実際の業務 を見たわけではないこと、ここでいう「人員」が社員だけのことなのか、派遣やパート人員まで含めた人数なのかなど不明な点もありますが、それらも一切無視 して記述いたします。

まず、会社からの要求事項を計算式で表してみます。
なお、業務量は金融業の管理センターという性格から業務処理件数としています。

[要求される生産性] = [現在の2.5倍の業務処理件数]/[現有人員]

現有人員は、現在の総労働時間に置き換えることができます。ご質問文を見ると「業務時間を2.5倍にするのは」とありますので、人員が同じであれば多少残 業が増えるのは選択肢の範囲とも読めますが、三六協定や、残業コストの問題もありますので、ここでは総労働時間も増やせないものとします。よって、上記の 計算式は以下とします。

[要求される生産性]= [現在の2.5倍の業務処理件数]/[総労働時間]

そうしたうえで、まず分母の「総労働時間」に着目します。この総労働時間の中身を具体的に見ていくと、分子の業務処理を行っている「主業務時間」とそれ以 外のミーティングや管理事務などを行っている「補助業務時間」に分けるとができます。また、昼休みを除く「休憩時間」も含まれています。
さらに「主業務時間」の中は、準備や調整、後片づけなど「段取り時間」、例外的な事項の処理方法を考えたり、相談したり、問い合わせたりしている「検討時 間」、ミスや変更を修正する「手直し時間」などが含まれています。
また「手待ち時間」も発生しているかもしれません。よって総労働時間は以下のように展開できます。

[総労働時間]=[実際の作業時間+段取り時間+検討時間+手直し時間+手待ち時間]+[補助業務時間]+[休憩時間]

この式に基づけば、「実際の作業時間」以外は分子の「業務処理件数」を上げることに貢献していない時間で、すべてムダな時間と位置づけることができます。 そこで、このうち「休憩時間」を除く他の時間を削減し、その分「実際の作業時間」を増やすことができれば、その分だけ「業務処理件数」を増やすことができ ます。
「補助業務時間」は1個人の中で減らすことは難しい面がありますが、役割分担を変更したり、形骸化した業務や会議を廃止するなどすれば、ある程度は削減が 可能です。この部分は、言わばマネジメントの問題と言うことができます。
業務処理の時間のうち、「手直し時間」はかなり大きい場合があります。例えばミスが発生したときに実際に修正処理をしている時間は短くても、1つのミスが 生じることによって派生するトラブルや、トラブルの対応時間まで入れるとかなり大きな時間を費やしている可能性があります。そのためミスが発生しないしく みを作ったり、ミスを次工程に送らないチェックシステムを作ると、大きな時間短縮が期待できます。
「検討時間」は、例外的な処理を減らし標準化を進めることが最善策ですが、例外事項は管理センターより川上の部署で発生しているはずですので、管理セン ターは受け身にならざるを得ないかもしれません。そうなると、次の手段は、教育、マニュアルや早見表の整備、情報の共有化などとなります。「段取り時間」 は事務部門ではそれほど多くはありませんが、物を探す時間や問い合わせや確認などで手が止まる時間まで入れると少ないとは言えない可能性もあります。この 時間を削減するには、段取りの手順の改善が必要ですが、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を徹底することも有効な方策の1つです。
5Sは、ムダな時間を排除できることに加え、効率的なレイアウトに改善したり、他の業務改善を促進させたりなど、相乗的な効果が生まれます。「手待ち時 間」は、業務量が拡大することを考えると発生しないものと見なして構わないかもしれません。しかし、業務量が多くなっても、作業の流れにムラがあったり、 滞留が発生したりすると、思わぬ待ち時間が生じている場合もありますので、点検は必要かと思います。

以上のようなことに徹底して取り組んでいけばかなりの効果は期待できますが、改善のための時間など、新たに発生する時間もあります。そのため、「実 際の作業時間」で拡大できるのは、うまくいっても2割程度かと思います。そうすると処理件数で増加できるのも2割で、総労働時間は一定ですので、生産性に 直すと1.2倍という計算になりますが、これではまだまだ足りません。
そこで、次に着眼するのは最初の式の分子にあたる「業務処理件数」です。これを2.5倍に増やすということは、2.5倍のスピードで処理することですし、 1件当たりにすると4割の時間で処理するとことになります。
仮に、「実際の作業時間」を1.2倍にできたとしても、約2.1倍のスピード、1件当たり48%の時間で処理できるようにしないと実現できません。これを 人間の能力アップやスピードアップだけでやるのは不可能です。そのため、何らかの改善は必要となります。その場合、最も大きな効果が期待できる手段は、機 械化、自動化と言えますが、金融機関の業務の場合は、契約書など紙ベースの事務が多いと思いますので、機械化には制約が多く可能性は高くないはずだと思い ます。
そこで、機械に頼らない改善の可能性を探ることになります。まず着眼すべき点は、1件の処理を行うための工程を削減したり結合したりして減らせないか、と いう点です。おそらく、個々の帳票類の処理では削減可能なムダな工程はないと思えます。
しかし、帳票や伝票の集約やレイアウトの改訂などが可能だとしたら、改善余地はあるかもしれません。これは業務のルールの変更にあたり、実現すれば改善効 果は期待できますが、金融業という性格を考えると、やはり可能性は高くないと思います。そうなると、次に着眼するのは、仕事の担当の仕方で、すなわち分業 の仕方や協力体制を工夫することによって改善できないかという点です。例えば、処理案件のまとめ方や流し方を工夫することで、できるだけ1人の人が同じ性 格のものを処理できるようにすれば、効率は上がります。
ところが、よくある例ですが、処理案件をその性格によって分類を使用するには、その中身に目を通す必要があり、目を通すのであればその場で処理してしまっ たほうが早いということが起きます。ただ、これも部署内で区分けをしようとするとそうなりますが、それを作成した川上の担当者は内容がわかっていますの で、その作成者が分類し、色分けしたファイルに入れるなどして送ってもらうようにすれば、管理センターでは何もする必要はなくなります。これも一例です が、組織の区分などにとらわれずに発想をしていくと、打開策が見つかる可能性はあります。

以上、大まかに着眼すべき点を挙げてみました。
とは言え、これらはこれまでも取り組んできたものが多いと思いますので、あまり画期的なものはないだろうと思います。しかしながら、業務はどんどん変化し ているはずですので、改めて真剣に取り組めば、可能性が残っているかもしれません。
いずれにしても、2.5倍の生産性向上という要求が出ている以上、可能性のあることは何でも取り組んでみて、少しでもその要求に近づけるしかなさそうに感 じます。
最後に、強いて付け加えるなら、こういった表面的な試算で要求してくる企画部門を改善する、という手が残っているかもしれません。


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