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4.新入社員をどう育てるか

更新 2006.07.26(作成 2002.02.07)

新入社員をどう育てるか

さて、一番重要な問題を最後に残しました。
かつては学生から組織人へということに主眼が置かれ、そのためにマナーを教え、規則を教え、組織に同質化させることに力を入れていたように感じます。
しかし、バブル景気の前ごろから、組織があまりに同質化しすぎたり、指示待ち族が増えたりしたことへの反省が語られるようになりました。また、個性とか創造性とかいう言葉が多く使われるようになって、新入社員研修にも違った要素を持ち込むべきだという意見が多く聞かれました。
「自分の頭で考えることができる人材」「自律的な人材」「問題解決力をつけさせる」「情報化時代に対応できるようにする」「ビジネスマインドを養成する」などなどです。
しかしながら、いろいろな試みはされてきたと思いますが、ここ数年の不況を背景に後退してしまったり、掛け声だけで終わったりで、具体的なノウハウは蓄積されてきていないようにも感じます。

一方で組織の側にも自信の無さのようなものを感じます。
一昔前のような同質化教育をやっていいのか。
教科書通りに教えると、職場に配属されたあとにギャップに苦しむんじゃないか。
個性を尊重し、主体性を持たせるような教育をすると、配属後にアツレキを生むんじゃないか。
また、本当にそれで大丈夫なのか、結局本人が損をするんじゃないか。
基本動作をしっかりたたき込むことが重要になってきているけど、どこまで要求していいのか、個性を殺さないだろうか。 などなどと。

そうして数年おきに、あるいは担当スタッフが替わるたびに、新入社員研修の見直しをかける企業は多いようですが、なかなか大きく変更することはできずに終っているのが現実のようです。
新しいものを少しでも取り入れると、教材やレッスンプランも作り直す必要が発生しますので、一気に大きく変えるのは難しいという側面もあるかもしれません。

どういう研修が望ましいのか、もっと効果がある変わった研修はないかという質問については、私たちも明快な答えを持っているわけではありません。同じことをやっても合う企業、合わない企業がありましし、一つの企業でもうまくいく年次とそうでない年次もでてきます。
結局は試行錯誤しながら自社としてのノウハウを作っていく以外に無いとは思いますが、2つほど重視して欲しいことがあります。

1つは、自社にとって重要だと思われる基本事項については、妥協せず、習得できるまで徹底的に指導すべきということです。自社にとって重要な基本事項というのは、安全であったり、品質であったり、顧客志向であったり、マナーであったり、コスト意識であったり、事業特性によっていろいろだと思います。あるいはマニュアル的な手順をしっかり覚えることであったり、逆に全てに疑問をもって探求する姿勢だったりするかもしれません。
これらのうちどれを中心に据えるかは、世間一般ではどうしているかということより、我が社は何を重視するべきかと主体的に考え、それを信じて教えることが大切なような気がします。

もう1つは、新人のときにこそ、できるだけ高いレベルを要求して欲しいということです。新入社員研修から職場に配属されてしばらくの間は、緊張感もあり、最も多くのことを吸収できる時期です。頑張らなきゃという意欲も最高レベルになっているはずです。少々ハイレベルのことを要求しても以外とあっさりクリアする人も出てきますし、他の体験がありませんのでそれが会社なんだと自然と受け入れてしまいます。
逆に要求するものが簡単すぎたり、何でも手取り足取りやってもらえて、フォローもしてもらえる環境になじんでしまったら、会社ってそんなもんかという感覚が身についてしまいます。
この初期キャリアの段階で身に付いた意識は、その後の職業人生の中で大きく影響し、なかなかそこから脱することが難しいようです。
ハイレベルのことを要求すると言っても、押しつけたりスパルタ的にやっていいというわけではありません。また、ついてこれない人もでてしまいますので、落ちこぼれそうな人達の学習ペースに根気強くつきあってあげる必要もでてきます。
接し方はフレンドリーに、しかし要求は落とさずハイレベルに、というようなスタイルで研修を進めることができたら、持っている能力を最大限に引きだすことが出きるのではないかと思います。

以上、明快な解答もないまま、評論的な内容になってしまいましたが、一箇所でも参考になるところがあればと思います。


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