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君の名は、と聞いて、真知子巻きを思い浮かべるか、乃木坂46の歌を思い浮かべるか、何も思い浮かばないか、......で年齢層が大きく分かれるかもしれません。
そんなことはさておき、ここでいう「君」とは花のこと。
猫の額ほどのわが家の庭に、先日花が咲いたのですが、その名前がわかりません、という話です。
わが家は平日は誰もいないので、庭の手入れはままなりません。生来ずぼらな性格だということも大きな要因です。
しかし、世の中はよくしたもので、そんなずぼらの近くには、お世話好きな人が寄ってきてくれます。私が密かにガーデンマスターズと呼ぶご近所さん達が、何かとわが家の庭の面倒を見てくれるのです。
雑草を抜いてくれたり、株を分けてくれたり...。あるときは、玄関脇に真っ赤なゼラニウムが植えてあったり、スミレの鉢が置かれていたりもしました。
そんなわけで、わが家の庭はご近所の分家達でにぎやかです。
先日可憐なつぼみをつけたのは、4年前にわが家にやってきた小さな植木鉢。入手ルートの記憶は怪しいのですが、ちょうど4年前のワールドカップの時期だったことは覚えています。ずぼらな私は、忙しさにかまけてそのまま放置。その内に小さな鉢をつきぬけて地面に根が伸び、植え替えることもできない状態に。やがて茎と鉢のバランスが悪くなって、風が強い日はそのたび鉢が倒れ、ついには茎がぽっきり折れてしまいました。もうダメかと思ったのですが、何とか今まで生き延びて、この度ワールドカップの開催とともに花を咲かせたのです。
さて、この花の名前はいったい何でしょう。ネットで探してみたけれど、すぐには見つかりませんでした。そういえば、写真を撮って検索できるアプリもあったはず。そう思い立ち、iPhoneでダウンロードしようとして、ふと手を止めました。
4年間も咲かなかった花です。その間、ずぼらな主人と風雨のせいで過酷な運命をたどり、本人(?)なりに決するところあって突然つぼみをつけたのでしょう。そんな花の名前を、ちょこちょこっと検索して見つけ出して安心して終わり、というのは、何となくこの花に失礼な気がしたのです。
このまま、しばらくわからないままでそっとしておこう、そう思いました。
あせらなくても、いずれガーデンマスターズの誰かがが教えてくれるかもしれません。
今は検索すればなんでもすぐにわかる時代。知りたい情報が知りたいときにすぐ手に入る。便利と言えば便利ですが、なんとなく味気ない。
「君の名は......?」と小さな謎を胸に秘めつつ、じれったさに身を焦し、曖昧さに耐えながら、謎が解かれるその時を待つ、たまにはそんな昭和ロマンもいいものでしょう。
思えば学生時代などは、そんなじれったい謎をいつも抱えていて、書店や図書館を探しまわり、ついには国会図書館の片隅のカビ臭い書籍の中にようやくヒントを見つける。......などという宝探しのようなこともしていました。
今ではとても非効率でまどろっこしくてやっていられません。でも、答えにたどり着くまでの曲がりくねった道のりで、何かしらを得ていたような気もします。
「君の名は」で乃木坂46を思い浮かべる世代には理解できない感傷なのかもしれませんね。
(いや、しかし私は決して「真知子巻き」の世代というほどではないですよ。念のため)
ところで、あと4時間後に起きて日本代表を応援せねば!果たして奇跡の花を咲かせてくれるのでしょうか。いや咲いても咲かなくても、きっと意味のある道のりではあるのでしょう。そう期待をしつつ、おやすみなさい。
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出所不明:謎の花 | 分家:珍しい八重のドクダミ | 分家:鉢ごといただいたスミレ |
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本家:アリウムグローブマスター | 分家:金魚草? | 本家:いちご |