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作業員への指導

人はハートで動く

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建設会社(男性)  2017-09-20

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人はハートで動く

新入社員の頃、ある現場に現場監督として配属されました。
現場監督は、「施工管理」すなわち「建物を構築するための計画を立案し、施工環境を整え、下請け業者に工事を進めさせ、計画どおりに進んでいるかを常時確認しながら、必要な軌道修正を行う」という業務を行います。
分類すると、品質管理、安全管理、工程管理、環境管理、原価管理となりますが、相互に関連するため、各々調整しながら同時に行うことになります。要するに、やるべきことは多岐に渡ります。
現場監督の卵である私も、作業員のほとんどが私より年上という中で、工種間の取り合いの調整や不安全行動を監視して注意するなど、安全管理の一端を担っていました。

ところが、型枠解体作業員のAさん(30代)は、私が安全確保のための注意をしても鼻で笑うだけですぐには指示に従いませんでした。
私が工事建物の外周を巡回していると、上階から私のヘルメットにめがけて、針金くずを丸めたものを投げつけてくるなど、年下で新入りの私は、完全にからかわれていました。何をする?!チクショーと、私は腹が立ちましたが、何もできず我慢するしかありませんでした。そして、そんな状況が何日か続いていました。

しばらくしたある日、例のAさんが突然現場事務所にやって来ました。目に入ったゴミが取れず痛いというのです。
たまたま現場が総合病院内での病棟新築工事であったため、私が病院の眼科外来に電話して、すぐに見てもらえるように手配し、Aさんを連れ添って行きました。
治療後、気弱になっているAさんと一緒に診断結果を聞くと、鉄粉が目に刺さっていて放置していたら失明するところだったとのことでした。薬をもらってからは、Aさんに薬の種類と使い方・飲み方を確認して手渡しました。

2~3日して、Aさんに遭遇しました。すると、Aさんが変なんです。
今まで私を呼び捨てにしていたのに、急にKさんと「さん」が付くんです。
そして、それからは針金も飛んでこなくなりましたし、Aさんのことを職場の仲間と思えるようになっていきました。
他の現場でAさんにばったり再会したとき、「Kさん、おいっす、しばらくっす!」という感じで親しそうに声をかけてくれました。

現場監督になりたての頃は、義務感と上下意識で作業員に注意していましたが、だんだん「自分がきちんと注意してやらなければ、相手が怪我をしてしまう、さらには死んでしまうこともある」と思うようになりました。
そのため、相手が年上だろうが、ムキムキマンであろうが、状況によっては怒鳴りつけるようになっていきました。
不思議と相手は何も言い返してきません。現場で働く者同士が、「安全に工事を進める」という同じ目的に向かって各々が役割を遂行していることを理解しているからです。そして、その根底に謙虚さや誠意や一生懸命さがあれば、非常に強い注意指示になることは間違いありません。

そんな私も間もなく定年を迎えます。業務を行う上で必要な知識やノウハウも大事ですが、人としてより大切なことを改めて再認識しています。


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