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勤務歴の長いアルバイト店員への指導

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デパート アルバイト店員(女性)  2012-10-16

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勤務歴の長いアルバイト店員への指導

デパートの一角に店を出しているアクセサリー店でアルバイトをしていたときの話です。
どちらかというとアクセサリーに疎い私は、ショーケースに並ぶイヤリングやネックレスなどを見ながら「私の知らない世界......」と不安を感じましたが、友人に紹介をしてもらった手前すぐに辞めるわけにもいかず、少しずつ商品や売り方を覚えていくうち、結局土日を中心に3年間ほど勤務しました。
その間店長は何度か変わり、気づくとその店では一番在籍が長い店員となっていました。

そんなある日、また新しい店長がやってきました。
新しい店長はキャリアは長いのですが、そのデパートでの在籍期間はアルバイトの私のほうが長くなっており、店長は私が担当している業務を全て把握しているわけではありません。販売に関し一通りこなしていた私にあえて何か教える必要もないのでしょう。簡単な自己紹介をしたあとは、一緒に仕事をしながら、必要があればその都度指導を受けるという感じでした。

それまでの店長は、どちらかというと販売することに熱心で、壁やショーケースのデザインや飾りを工夫するようなタイプではなかったので、私も同様、とにかく客に商品を勧め販売することが仕事の中心でした。むしろ「店の飾りは固定的である」と思い込んでいたくらいです。
一方新しい店長は、装飾を考えることが大好きなようで、いろいろな小物を持参してはあれこれ試し、楽しそうに店を飾っていきます。その作業はまるで踏み込んではならない店長の聖域のようで、私は横目で眺めながら相変わらず販売に集中していました。

季節が夏から秋に移ろうとしていたある日、店長は壁やショーケースの飾りつけを大きく変更しはじめました。
季節を先取りし、壁に木の葉や枯れ木を飾っていきます。なるほど、それだけで店の雰囲気ががらりと変わり、客の購買意欲をそそるものだと感心しつつ、私は相変わらず販売に集中していたのですが、店長は作業が一段落したのか、私の側に来て白い手袋を指し出し「私、今から休憩なんだけど、その間にあなたはこの手袋を実際に人が着けているようにふくらませて、(販売品の)バッグ横に飾っておいてくれる?まるでバックを持っているかのようにね!」と言いました。
装飾の役割が自分に回ってくるとは......。しかし業務命令なのでやらないわけにはいきません。
「はい。でも何でふくらませたらいいですか?」と私が聞くと、そばにあった薄い紙を指し「この紙、使っていいから」とだけ言い残し、休憩に行ってしまいました。

それまでも店長がいろいろと装飾をする様子を眺めてはいましたが、それは店長の仕事であって自分でやることとは思っていませんでした。装飾を行うことはおろか、手袋についてはまだ見たこともありません。
とりあえず手袋の大きさに畳んだ紙を入れてみるのですが、数枚入れてもぺちゃんこのまま。これでは紙が何枚あっても足りません。いっこうに手のようにはならず、一体どうしたらいいのか?
しかし、悩んでいる間にも客はひっきりなしにショーケースをのぞいていきます(その店は、地元では一番賑わっているデパートの正面入り口にありました)。客を放っておくわけにもいかず、手袋はさておき販売に集中しているうち、店長は休憩を終え売り場に戻ってきました。

「どう?できた?」と店長。
「いえ、どうしたらいいのかわからなくて......。紙を何枚入れてもぺちゃんこのままなんです」と私。
すると店長は、「えー!?紙をこのまま折って入れたんだ!そりゃふくらまないわよ!そんなことも知らなかったの?」とあきれた表情に。

「これはね、紙をまずくしゃくしゃにしてから手袋に入れるのよ。普段ちゃんと見ていれば察しがつくでしょう?」
私はアルバイトとはいえ、店舗では指導的な立場に立っていたため、恥ずかしさで顔が紅潮するのを感じました。

店長にとって、手袋を装飾に使うことは「店員なら当然知っている業務」であり、長く勤務している私が知らなかったことは想定外だったに違いありません。しかし、休憩前に一言「やり方、知っている?」と確認し指導してもらえば、店長の休憩中に少しでも進めることができたことでしょう。

また、そもそも私は、店長が変わって方針も変わったのだということに気づいていなかったのです。
店長が装飾に力を入れていても、それは店長がしていることであり、自分の業務に変わりはないと感じていたのです。
私は以前どおりのスタイルで、そして店長もおそらくこれまでどおりのスタイルで、自分にとって"当然のこと"をしていたのだと思います。

部下や後輩が後から入ってきた場合、上司は最初に「できないことを確認」し、計画を立て指導していくことが多いかと思いますが、今回のように部下が先に職場にいる場合、後から来た上司が「できること、できないこと」を聞き出してから指導を進めるというのは、現実には難しいことかもしれません。

そうだとしたら、せめて最初に、店長には方針を語ってほしかったと思います。いやいや、それは甘えで、私が店長の行動から意向や方針をくみ取るべきだったのかもしれません。そうすれば店長のしている装飾に対して、もっと理解を持ち、関心を持って見ていたと思います。そして装飾については未経験であることも予め伝えられたかもしれません。
出来事としては些細なことでしたが、"指導"について考えさせられた一件でした。


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