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「進路指導」のOJT

アイドル未満を指導しつつのOJT

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元タレント養成学校事務(女性)  2013-05-10

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アイドル未満を指導しつつのOJT

某タレント養成学校に中途入社したときの話です。入社後すぐ与えられた仕事は庶務事務と生徒達の進路指導でした。OJTとは言えないかもしれませんが一応指導ではあります。でも進路指導というと聞こえはいいのですが、タレントになれる見込みのない子達のグチを聞いたり、あるいはこちらから引導を渡す、というのが主な役割でした。

大手のタレント学校ならいざ知らず、中小のタレント学校からプロとしてデビューできるのはほんの一握りです。中には資質もあって努力も怠らないという子もいるのですが、多くの子は何らかの問題を抱えています。
資質があって努力もして、さらに運にも恵まれないと花開くことが難しいこの業界。単に現実逃避だったり、変身願望だったりだけでは、いくら時間をかけてもオーディションに受かるはずがありません。しかしそんな状況が続くと生徒達の心はだんだんやさぐれてきます。自分のことを客観的に見るのはとても難しいことのようで、学校への不満がつのり、八つ当たりされることもしばしばです。
「高い授業料払って通っているんだから、デビューまで面倒見るのは義務じゃないの?今になってムリだなんて、それってサギじゃない?」
一理ある。自分もそう思わないでもない。そもそも入学の基準が甘いのだ。誰でもウェルカムなんだもの。学校だってハナからムリってわかっていたのでは?......しかし、自分ではそうは思わないのかなぁ。と、そんな気持ちを押さえつつ笑顔で対応。
「何もアイドルでなくても、別のジャンルにチャレンジするとか、少し視点を広げてもいいんじゃないかな?」「嫌よ、絶対にアイドル!!AKBの○○ちゃんがなれるんだったら、私だってなれるはずでしょ。○○ちゃんみたいになるのよ!」
やれやれやれ......。
しかしこんなふうに発散するタイプはまだいいほうで、暗く沈み込んでしまうのはタチが悪い。
「......」「ね、他のコースに行くこととかも考えてみようか」「......」「アイドルへの直線コースは狭いからね、回り道ってのもありじゃないかな?」「......私、アイドルになれないんだ」「いや、そう決めつけるわけではないけど」「......私、ダメなんだ。アイドルになれないんだ」メソメソメソメソ......。
やれやれー。そのメンタルじゃ、たとえアイドルになれても生き残るのは難しいだろうなぁ、などと思ったり。
時には親からクレームが来たり、または親から「何とかあきらめさせてくれ」と頼まれたりもします。

話を聞いているうちに事務処理のほうが遅れていつも終電ギリギリ。半年経つころには、すっかりこちらのほうが参っていました。そんな私を尻目に某先輩はマイペースで仕事を進めています(少なくとも私にはそう見えました)。その先輩は一応私のOJTリーダーというか指導担当者なのですが、あまり指導を受けた記憶はありません。
先輩からときどき受けるアドバイスといえば、「そんなに真剣になるなよ」「適当に切り上げないと帰れなくなるよ」とか「ムリなものはムリなんだからさ」。
当時の私からするといかにもいい加減な台詞。生徒達は人生がかかってるんだから、もっと親身になってあげてもいいんじゃない?逆にそう注意したいくらいでした。

あるとき、ある生徒への連日の対応にホトホト憔悴していたときがありました。何時間も話し込まれ、泣きつかれ、逆ギレされ、ののしられ、また翌日泣きつかれ......。
相手はまだ未成年とはいえ、しかし高い授業料を払っているお客さまでもあります。邪険にするわけにはいきません。将来だってかかっているのです。
困り果てた私は先輩に相談してみました。「どうしたら現実を見ようとしてくれるんですかね。私どうしたらいいんでしょうか」
すると先輩「うーん、そういう子はさぁ、言ってもどうせわからないんだから、右から左に流して嵐が過ぎるのを待つんだね。言うだけ言ったらスッキリするっしょ。そしてある朝ふと鏡を見て気づくんだ。あ、あたしやっぱムリかもって、ハハハハハ」
こっちは真剣に悩んでいるというのに、そんなふうに冗談交じりに言い放って笑う先輩に、さすがにムッとした私「まるで人ごとですよね!」
すると先輩、「あれあれ?だって人ごとでしょ。じゃあその子のかわりに自分がアイドルになってあげられるわけ?そりゃますますムリだよね。ハハハハハ」などと輪をかけてきます。私は一人憂鬱な日々を過ごしていました。

毎日親身に相談にのって、夜遅くまで働いて、でも一生懸命やっても生徒がタレントになれるわけではない。なんて報われない仕事なんだろう。OJT担当のはずの先輩はあんな調子でまともに相談にのってくれないし、上司は上司で知らんぷりだ。
結局、日々のストレスと周囲への不満がつのり、私は3年経たずに会社を辞めました。
辞める前、先輩からこんなことを言われました「親身になってやってきたって言ってもさぁ、結局辞めちゃうってことは、彼らのことを途中で放り投げちゃうってことだよね。それってどうなの?」

そのときは、とても聞く耳を持てなかったのですが、辞めて時間が経ってみると、逆に先輩の言葉が頭の中で響くようになりました。
確かに、私は勝手に一生懸命になって、勝手に辛くなって、結局放り出してしまった。
何か、必要以上に自分が引き受けてしまって疲弊していたんじゃないだろうか。今ここで勘違いを正さなかったらこの子はどうなるんだろうか、と教育心にかられたり、この子の夢を自分が断ち切ってしまったのじゃないか、と罪悪感を抱いたり......。でもその子の人生はその子が決めること。自分がどうすることもできない。
もしあの仕事を長く続けようと思うなら、先輩くらいの軽やかさがないとムリかもしれない。先輩みたいな性格になれと言われてもムリだけど、役割としてやる、くらいの気持ちでもよかったのかもしれないなぁ。それだったらもっと続けていけたかもしれない。
辞めたことに後悔はしていませんが、そんなふうにも思えるようになりました。あの時の生徒さんだって、「今私がなんとかせねば」なんて気負わなくても、時間が経てば見方が変わったのかもしれませんね。


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