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OJTを通して学んだこと

新人の指導で学んだオヤジのOJT

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部品メーカー(男性)  2015-09-30

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新人の指導で学んだオヤジのOJT

話は、10年ほど前、商品企画部門で、アジア向けの製品を担当していたころのこと。
日本の製品も担当していたが、その業務はほとんど部下まかせ。年間のほとんどは、当時力を入れ始めたアジアの各支社へ出張していた。アジア各地では、発売にむけ商品企画をしながら、現地採用で業務をこなすスタッフを育てていた。

その一人、Aさんは、アジア地区の中でもシェアが大きいZ国のスタッフで、現地で大学を出た日本人女性だった。
商品は現地向けとはいっても、実際の業務上では日本人相手の仕事も多かったため、日本語でやりとりができること、特に日本製品などの説明において、細かなニュアンスを一つ一つ説明せずとも伝わることは最大のメリットだった。

さて、彼女が入って3カ月目くらいのころ、ある商品をリスト化する作業を依頼した。
他社製品を含めて、発売時期やスペック、デザインなどをMS-Excelの一覧にまとめていく。デザインは、その特長をテキストで打つのに加えて、サイトやカタログから見つけた画像データを貼り付ける。
作業自体は簡単だが、根気と時間が必要になる。これまでは私がちょっとした合間にやっていたが、Aさんが「私やりましょうか?」と引き取ってくれることとなった。そういった気が利くところも、彼女をかっているところだった。

依頼した資料は、商品を企画する際に、時間の流れとともにどういったところが進化してきたのかを把握したり、他部署に説明する資料としても使うものなので、彼女自身がその商品の理解を深めていくにも適した作業だ。
OJTにぴったりじゃないか!今後も新人がきたらこの作業を依頼するところから始めようと考えたくらいだった。

彼女に依頼するにあたって、やってほしいことを説明した。ただ、ほかの商品についての一覧は、これまで何度も見せていたし、特別なMS-Excelの機能を使うわけでもないので、足取り手取り教えたわけでもなかった。

1週間くらいたったところで、様子を聞いてみると
「はい、順調です。情報をとってくるのが難しいものもあるのですが」と言っていた。どんな風にできているかはわからなかったが、少し悩むことも必要だろうと思い、あえて指導はしなかった。
いや、本音を言えば、抱えている作業で手がいっぱいだったうえ、B国に急遽行く用が入ったりして、Aさんにかまっていられなかったのかもしれない。そんなに大変な作業でもないし(と思っていた)。

「まあ、考えながら続けてみて」
と返し、そのままB国行きの便にのって、次に会ったのは1週間後だった。

「完成しました」とAさんが持ってきたその資料を見て、私は絶句した。
貼り付けている画像のサイズが、あまりにもバラバラだったからだ。
なにせそれが目立つので、まずほめる、というフィードバックすら飛んでしまった。
「あ、ありがとう。だけどコレ、ちょっと変じゃない?」
「えっと......世の中に出ている商品はモーラしてるはずです」
「ああ、そう。画像がかなりバラバラだけど」
「はい、まあそうですけど......」
あ、気づいてたのか。ならばどうして直してないのかと聞いてみると
「その方法は、習ってませんので」
と、ぴしゃりと返ってきた。

「習ってない」という言い訳には少々思い出がある。
古い話になるが、中学時代の音楽の期末テストのこと。
「ff」をなんて読むかという問題が出た。「えふえふ」としか答えられなかった。そう、そのころはまだ、HOUND DOGの「フォルテッシモ」がリリースされていなかったので、いまほど有名な記号じゃなかったのだ。
試験後の授業では、先生がとんでもない罰を用意していた。その問題を間違えた人は、尻を竹刀で叩かれるという体罰だった(今じゃ体罰なんて、とんでもないと言われてしまいそうですが、当時はね......)。
その先生の尻叩きは、通称「辻斬り」と呼ばれていて、叩かれたあとは座り込んでしまうほど、足がしびれるものだった。のんきに「えふえふ」なんて間の抜けた回答をした自分を呪ったものだ。

試験勉強はしっかりやったであろう秀才のMくんも間違えたようで、
「そんな記号について授業でもやりませんでした。だから知らなくて当然では」
とナイスな訴えを涙目でしていた。ところが、先生ときたら、
「試験範囲にのっている楽譜に、この記号が使われていた。知らない記号ならなぜ疑問に思わない?なぜ聞かなかったんだ?」
と、一喝。

あえなく、さらに青ざめたMくん含め、間違えた人10数名は「辻斬り」されたのだった。

その記号は、その意味通り「とても強く」記憶に残り、同時に、知らないことは痛いこと、と私の脳に焼き付いてしまったようだ。私の知りたがり、気になったら調べずにいられない性格はここから育ったのかもしれなかった。

さて、Aさんの「習ってませんので」の言葉に面食らった私だったが、
まさか先生のように「知らないなら聞けよ」と返すこともできず、
「ああ、そうだね。じゃあ、やりかたを見せるから、このとおりにやってみて」
と冷静に、やさしく指導した。
「はい、わかりました」
と、教えれば素直に取りかかったAさん。
間もなく資料は、こんどこそ完成した。

画像がまともなサイズになってから資料を見てみると、集めてもらった情報は、初めてにしてはうまくまとまっており、よくぞこんな古い商品まで探したね、というようなできだった。
Aさんにとっちゃ、放ったらかしにされていた間、もくもくと作業を続けていたわけだから、見せた時の言葉がいきなり否定的だったので、がっかりしただろう。と、私なりに反省もした。

自分が普段やっていることを、順序立てて説明するのは意外と難しいことだし、これまでも何度も使っているし、見せているし、という思い込みはよくない。
特に、新人のころは、多少くどいくらいに指導する機会を設けた方がよさそうだ。
あれ、OJTを受けたのは私のほうだったか。やれやれ。

その後、Aさんはどうしたか。
私のていねいな指導の元で、無事にしっかりした中堅として育っていますよ。
いまじゃOJTリーダーにもなったりして、指導の苦労を味わっているかもしれません。だけど「習ってません」に逆ギレしないようにね。


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