OJTコーナー

もうすぐ忘年会の季節、と言うにはいささか気が早すぎるが、ある若手社員が忘年会の幹事を命ぜられたときのお話。

まず、彼は日程調整に手間取った。部員にメールを出して日程調整したところまでは良かった。ところが、部長を兼任している本部長の存在を忘れていたのだ。本部長にスケジュールを聞くと、その日はNG。日程調整は振り出しに戻ってしまう。
こういうときは、まず、絶対に出席してもらいたい人のスケジュールを見て、その人たちの都合のいい日を候補日にしなきゃ。順序を間違えちゃいましたね。

そうやってようやく決めた日程だったのに、前日、本部長に会費の集金に行ったら、別の予定が入って出席できないと言う。あらら、本部長の秘書にスケジュールを押さえてもらわなかったの？こんな直前じゃしょうがない、もうやるしかないでしょうね。（もっとも本部長が来ないということで、実は皆ほっとしたのだけどね。）

会場に行ってみたら、あらら、これではちょっと狭い。聞いてみると、このお座敷の収容最大人数を超えたけど、2〜3人増えるくらいなら大丈夫と思ったって。うーん、お店がここしかないわけじゃあるまいし、人数に合わせてお店を決めてほしいなあ。ま、皆で肩寄せ合って飲むのも仲間意識の高揚には効用があるって。ぶる、寒い冗談。

さて、全員集まりました。ちょっと幹事さん、何をボーっと立っているの？早くビールを出してもらってね。あなたがお店との窓口なんだからしっかりね。え？どうやって宴会を始めたらいいか、わからないって？まずは乾杯でしょう、乾杯。

すると彼はこう言った。
「では、まず乾杯をしましょう。かんぱ〜〜い！」
おいおい、こういうときは乾杯の音頭を部長とか課長とかそういう人にお願いするものなのよ。
「え？そうなんですか？！じゃあ部長、お願いします。」
あのねー、じゃあ部長ってその言い方、本当はとても失礼なのよ。

飲み始めれば単なる宴会だから、あとは飲んで騒いで適当にお開き。

だけど、最後がまたイケナイ。事前に集金したはずなのに、集まったお金が１万円足りないと言うのだ。うーん、それはどういう意味？誰かが会費を払い忘れているか、払わずに黙っているということ？あなたが落としたとか、別のところにしまったとか、心当たりはないの？
ものを集めるときは、もらったら中身を確認して、誰からもらったか記録をする、これが基本。それをしなかったのが失敗だったねえ。しょうがない、足りない分は役職者がカンパしましょう。

はい、宴会の幹事、ご苦労さま。今度はもっとうまくできるようにしましょうね。あのね、会議の開催だって、これと同じなのよ。つまり、今回の宴会の幹事はお仕事の練習みたいなもの。わかってるのかなあ。