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No.36接客サービスマニュアル作成のポイント

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2009年7月29日

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接客場面において、心のこもっていない機械的な対応を「マニュアル的」と揶揄する人も多いようです。「対処」に意識がとらわれて心が置き去りになっている事例としては、こんな話も該当するかもしれません。→「歳時記:がんばっては、いる」(別ウィンドウで開きます) 機械的な対応になるのはマニュアル教育をしすぎたから、という理由になるのでしょうか。
私はむしろ、マニュアルが整備されていないことや、マニュアルに沿った教育が行き届いていないことのほうが、問題を引き起こしているのではないかと感じています。 そこで今回は、「マニュアル的」などと言わせないための「接客サービスマニュアル」作成について考察したいと思います。

接客サービスの仕事とは

さて「接客サービス」といっても、さまざまな職種がありますが、ここで解説するのは、「販売活動に伴って発生する、お客さまとの対面的(あるいは直接的)なコミュニケーション」という意味で捉えています。 具体的な職種としては、営業・販売員、店舗のレジ(チェッカー)、コールセンターのコミュニケーターなどを想定しています。その他、美容師やマッサージ師、コンサルタント、研修講師なども、接客サービスを行っている仕事と言えます。

接客サービスの特徴

1)接客サービスは作業・動作とセット

接客サービスの特徴の1つは、何らかの作業や動作がコミュニケーションとセットになっているということです。それは技能的なものであったり、事務的なものであったりします。例えば、保険の外交員の場合は、保険の設計や契約手続きなどの事務を伴います。レジの場合は、商品をカゴに移す、レジを操作するといった作業を伴います。コミュニケーターの場合は、お客さまのクレームに対応しながら端末を操作します。 このように、接客サービスを実施する人は、Tips.32でご紹介した技能的な作業や、Tips.33でご紹介した事務的な作業も同時に行います。そして、取扱う商品・サービスが複雑であるほど、コミュニケーションの比重が高くなると考えられます。

2)不確定要素が多い

接客サービスの特徴の2つ目は、不確定要素が多いということです。接客サービスはお客さまの反応があって初めて成り立つわけですが、相対するお客さまはさまざまで、当然ながら人によって要望や感情は異なりますし、同じ人でも日によって気分や状況が変わることもあります。ですからコミュニケーションパターンは実に複雑多岐に渡ります。また、事務処理であれば、一定の手順を行うことで一定品質を維持することが可能ですが、接客サービスは、同じように対応しても同じ品質を維持できるとは限りません。場合によっては、感謝されることもあれば憤慨されることもあります。

*それについては、こんな事例も参考になるかもしれません。

「OJTケース集:教えてもらえないこと」(別ウィンドウで開きます)

3)属人的な要素が大きい

接客サービスの特徴の3つ目は、属人的な要素の影響が大きいということです。それを行う人の人柄や雰囲気などによって、同じように接客しても受ける印象が異なるものです。動作や身だしなみ、言葉遣いなどのマナーや知識については、訓練によって一定レベルまで到達することが可能ですが、それ以上のレベルになると個人差が大きくなります。仮に、コミュニケーションの段階を「1.失礼のないように接する」→「2.好意を持っていただく」→「3.信頼していただく」という3段階に区切ったとすると、1を飛ばして2や3の段階には行けませんが、1の延長線上に2や3の段階があるとは限りません。好意や信頼を得るためには、サービスを行う人の特性あるいはお客さまとの相性なども、影響を及ぼす要因になり得ます。

接客サービスマニュアルを作る場合の注意点

さて、以上のような特徴を持つ「接客サービス」のマニュアルを作成するには、どのようなことに留意すればよいでしょうか。

1)基本作業・動作が大前提

まずは基本作業・動作、そして基本的なコミュニケーション・スキルを身に付けることが大前提です。基本ができていないとお客さまは不安を感じます。「いい人そうだけど、なんだか不安。大丈夫かな」という人からお客さまはモノを買いたいと思わないでしょう。「笑顔は感じいいけど遅いのよねー」というチェッカーのレジには並んでくれないはずです。基本作業・動作、そして基本的な挨拶や話法については標準を決めてマニュアル化し、誰が行っても同じレベルにできるよう訓練する必要があります。

2)理念が出発点
理念が出発点

応用的な対応についてはある程度パターン化し事例を示すことはできても、完全な標準化は難しいでしょう。対応の仕方そのものよりも、むしろ、そのときどきで適切に判断し、適切に対応する、ということが問われるはずです。では何に照らして適切であればいいかというと、それは会社の価値観です。会社の価値観を形成する基点になるものは"理念"と呼ばれるものです。そのため、マニュアルの作成にあたっては、まず理念をブレークダウンさせながら、以下の項目について概念を整理しておくとよいでしょう。

<めざすべきこと>

  • 会社の理念
  • 目標とするサービスレベル(どこまでの品質のサービスをめざすか)
  • 活動方針

<対応行動>

  • 基本動作・マナー
  • 基本的な標準話法や対応
  • 例外処理・トラブル対応

<基準>

  • 上記の対応を行う場合の判断基準・評価基準

接客サービスにおけるマニュアル作成の役割は、理念を基点とした<めざすべきこと>が、個人の具体的な言動に発露されるよう導くことでしょう。もちろん、これは接客サービスに限ったことではありません。ただ、デスクワークよりも接客の仕事のほうが、組織の矛盾を対外的に露呈してしまうリスクが高く、そうなった場合の会社のダメージが大きいと想像できます。また、接客の現場では、正規社員に対して非正規社員の割合が高い職場も多いはずです。勤務形態が多様な職場では、組織への帰属意識にも格差が生じますし、シフト制を採用している場合はOJTでの直接指導もしづらくなります。このような理由から、より<めざすべきこと>の共有化を重視する必要があると思います。


具体的な達成状態を描く

さて、<めざすべきこと>の共有といっても、理念や方針を大きな文字でマニュアルに書くだけでは不十分です。単なるお題目に終わらないよう、より実感を持ってもらえるよう工夫したいものです。例えば、理念に基づいて行動した結果どういう状態を実現したいのか、その具体的なシーンやお客さまの「声」を想定してみるのも一案でしょう。サービスを通じてお客さまにどう感じてほしいかを、お客さまになったつもりでつぶやいてみます。

例1)「速やかで質の高い対応を実践し、お客さまにとっての最良のビジネスパートナーであろう」という生産財メーカーの営業場面

社員:「御社の場合、連続稼働の負荷を考えると、このような仕様がおすすめです」
お客さま:「なるほど、思いつかなかったよ。いつもいい提案をくれてありがとう」

社員:「先日のお打ち合わせを元に設計プランをお持ちしました」
お客さま:「もうできたの?早いなぁ。しかもここまで作ってくれるとは、さすがだね」

社員:「取り急ぎ応急処置をしておきました。これからすぐに原因を確認し、明日レポートをお持ちします」
お客さま:「すぐに対応してくれたからラインを止めなくて済んだよ。本当に助かった」


マニュアル例1

例2)「お客さまの目線で行動し、お客さまから愛される店舗づくりを!」という店舗でのお客さまの声

「レジ待ちがなくてとっても快適!」
「手際がよくてテキパキしてるしね」
「なのに挨拶が丁寧で心がこもってるのよね」
「親身になって応対してくれるのも、ありがたいな」
「買い物するのが楽しくなるわ、やっぱりスーパーは○○ね」
「この店の商品なら信じられる!」


マニュアル例2

以上のようにイメージすることで、<めざすべきこと>を単なるスローガンではなく、感覚的に理解することができると思います。マニュアル作成にあたっては、このようなイメージをできるだけ具体的に、そしてビジュアルに表現し、記憶に残るようにします。

3)共感と言動一致

イメージを共有化できたら、「共感して実践する」ということが求められます。
接客サービスにおいては属人的な要素による影響が大きいといいましたが、一番の要素は「共感のレベル」なのかもしれません。つまりは「心からそう思っているか」ということです。
ウソがあると表情や言動が不自然になります。また、表面的な理解に留まり共感まで至っていないと、ピント外れな対応をしてしまいます。そんなことでは、いくら丁寧に接したとしてもお客さまは不信感や不快感を覚えることでしょう。
もっとも、これは個人的な資質の問題とばかりは言えません。そもそも会社としてウソがないか、ということが問われるべきかもしれません。

また、接客サービスはマニュアル作成と同時に訓練が重要ですが、そのトレーナーに誰を起用するかも大きなポイントです。トレーナーの言動に矛盾を感じてしまうと、<めざすべきこと>を受け入れて共感することは、心情的に難しくなるからです。
マニュアル作成や訓練の充実を図るのと同時に、そのような点についても点検されるとよいかと思います。

*最後に、接客サービスの現場におけるOJT体験談をいくつかご紹介しますので参考にしてください。

<教えること教わること OJT身近なケース集>

「本当にあった口答えの恐怖」

「詰め込み式・放り込み式OJT 〜クローク係のアルバイト〜」

「思いやりのない人」

「看板からは判断できないこと」

「じわじわ効いてくる老オーナーの知恵」

「伝えるって難しい」

「仲間意識の境界線」

「厳しさの中のやさしさ」

「2004年度のバレンタイン・シーズン」

author : 上村典子 

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