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No.17業務名?作業名?部署名?職務名?

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2003年7月22日

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前回に引き続き、もう少し名称の話題を続けたいと思います。

名称にからむ「わかりにくさ」の要因は、作業の「起点」以外にもいろいろあります。
ときどき「業務名」なのか個別の「作業名」なのか、はたまた「部署名」なのか「職務名」なのか、といったことがあいまいなまま使用されているケースが見受けられます。
また、時間の経過とともに業務内容が変わってきて、いったんつけた名前が実態とそぐわなくなってくる、という現象もあるようです。

「登録」って何?

例えば、会員制の通信販売事業を行っている企業のケースです。

その企業の登録課という部署では、全国から送付されてくる会員の申込書を受け付け、記載内容を確認し、個人情報をデータベースに登録し、会員証を出力して発行する、という仕事を主に行っていました。

この業務に関して、現場の人たちにヒアリングを行ったのですが、どうしても話がかみ合わないのです。その1つの要因に「登録」という言葉のあいまいさがありました。

「登録の仕事」というとき、ある人はそれを「登録課の行う仕事」という意味でとらえ、ある人は「申込書を受け付けてから登録が完了するまでの仕事」ととらえ、またある人は「登録作業そのもの」ととらえていたのです。一部には「登録課の人」を指している場合もありました。

人によって言葉の使い方がまちまちなうえに、ドキュメント類の中でも混乱して使用されていたのです。
よく聞いてみると、他の課の人が「登録」と言う場合は「課」または「課の仕事内容」を表していることが多く、登録課内の人が「登録」と言う場合は「登録までの作業」を指している場合が多く、また登録の作業そのものを日常的に行っている人にとっては、「登録作業」を指している場合が多かったようです。さらに使う場面によってもバラツキがありました。

それでも、実務に携わっている人たちの間では何となく通じていたようですが、新人や部外者にとっては今ひとつわかりにくいものとなっていました。社内でも、少なからぬコミュニケーションロスが発生していたようです。

いつの間にか「登録」の意味が変わる?

ついでに、時間の経過とともに作業内容が変わる現象も紹介しておきましょう。
この登録課では、当初は課名が示すとおり「データを登録する」作業の比率がもっとも高かったのです。しかし1年後、登録作業を全面的にアウトソーシングすることになり、実質的に登録の作業はなくなりました。登録課の主な仕事は、受付と確認、会員証発行になったわけです。

また、登録作業そのものがなくなったかわりに、外部に登録作業を委託する場合の手続きが新たに発生しました。これ以降、登録課内で「登録」という場合、登録を委託するための手配業務を指すようになったのです。

つまり「登録課では登録はしないが、登録を委託することを登録と呼ぶ......」ということになります。

この例はまだ単純な方ですが、時の流れとともにその業務内容やフローが変わり、元々の名称とそぐわなくなるケースはよくあることです。

カタカナ名称になるとますます不鮮明に

もう1つ、カタカナ名称のあいまいさについても付け加えておきましょう。
よく、顧客に直接接する最前線のことをフロントラインといったり、モノを配送することをデリバリー、倉庫や作業場などをバックヤードなどと呼ぶことがあります。
その場合、特定の職種の人(営業など)を指すのか、その場所を指しているのか、それとも業務を指しているのか、言葉の指し示す意味や範疇が不鮮明なまま使われていることが多いようです。例えば以下のような表現はさまざまなとらえ方ができます。

  • バックヤードの使命は○○することである。(→職種?部署?人)
  • バックヤードでは安全の確認が第一。(→業務?場所?)
  • バックヤードの基本は衛生管理。(→業務?人?)

わかったようでわからない......、安易にカタカナを使うことで、あいまいさに拍車がかかる場合があるようです。

部署名を変えたり業務名を変えたりすることは簡単にはできないでしょうから、せめてマニュアル上では「ここでいう『○○』とは×××を指している」ということを明示したうえで解説するとよいと思います。そうでないと、書き手である自分自身も混乱してしまうことがあるからです。
少なくとも、それが人なのか仕事なのか場所なのか、くらいははっきりとさせておきたいものです。

author : 上村典子 

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