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No.16マニュアルの表現〜作業名を考える〜

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2003年6月26日

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ある一連の作業にどういう名称をつけるか、それはかなり重要なことだと思います。いったんつけられた作業名はドキュメント類に記され、帳票の名称になり、システムの管理項目になり、現場で繰り返し唱えられ、やがて社内に定着していくからです。 作業名は、その名前からおおよそやるべきことの見当がつくものが望ましいと思います。望ましくないのは、その名称から想定されるイメージと実際の作業とがかい離している場合ですが、なぜそういうことが起こるのでしょうか。

どこを起点としているか

通常、一連の作業には複数の人がかかわっていることが多いと思います。
そのとき、どういう立場を起点としてその作業を見るかによって、作業の呼び方も変わってくることがあります。
わかりやすいものに、モノの「出」と「入」の関係があります。

例えば、ある企業では拠点展開をしており、拠点ごとに商品をストックしておく倉庫を持っていたとします。そして、ストックが足りなくなると本社の倉庫に依頼して拠点の倉庫に移してもらう、という処理を行っていたとします。
この、本社倉庫から拠点の倉庫に商品を移す処理を「出庫処理」と呼んでいたとしましょう。これは本社側から見た処理の名称なわけですが、同時に拠点側から見ると商品を「入庫」する作業ともとれます。

概念図1

さて、各拠点では、毎日営業員が拠点倉庫から商品を持ち出して販売活動を行っているとします。そして1日の終わりに販売残の商品をまた倉庫に戻すという作業をしており、この倉庫に戻す作業を「入庫処理」と呼んでいたとします。

すると、もし倉庫を起点に考えるならば、同じように商品が入ってくるという動きなのに、本社から移送されてくるのは「出庫処理」の一環で、営業員から戻されるのは「入庫処理」ということになってしまいます。
このように、同じ作業でも見る角度によってとらえ方が異なることはよくあります。

ベテランの人ほど要注意

作業の起点に配慮せずにマニュアルをつくると、以下のような記述がされてしまうことがあります。

  • 拠点長は商品の必要在庫数を「出庫処理」します。
  • 倉庫担当者は「出庫処理」された商品の入庫数を確認します。
  • 営業員が販売残の商品を「入庫処理」する場合は......、

もし経験のない人が何の説明もなしにこれを読んだら、わけがわからないと思います。
特に、社内のベテランの人がマニュアルをつくる場合、長年その作業名に慣れ親しみ、名称と作業内容が一体化しているため、作業の起点について無頓着になることがあるようです。

本社から見ているのか、現場から見ているのか、顧客側から見ているのか、社内から見ているのか......。作業名のつけ方は単に呼び方にとどまらず、管理上の問題でもあります。また、その企業の思想が反映されるものでもあるので、あなどれません。

定義してから名称を決める

では、作業名をどのように設定したらよいのでしょうか。 基本的には、まず作業を定義づけてから名称をつけるとよいと思います。その際、仕事は入れ子になっているので、できるだけ大枠のくくりから定義づけ、名称をつけていくようにします。 先の例で言うと、本社と拠点間で行われる一連の作業のまとまりを1業務ととらえ、その内容を定義づけます。例えば「拠点からの依頼により、本社倉庫から拠点倉庫へ商品在庫を移管する業務」と定義しましょう。しかしこれは名称としては長すぎるので、その定義を端的に表すような名前をつけます。この場合は、例えば「在庫移管業務」などといったものが適切でしょう。 このとき「出庫処理業務」などのように、ある作業主体だけに依存するような名称は避けた方が無難です。

概念図2

そうして、業務の中で発生する個々の作業名についても、まず定義を明らかにした上で名称をつけます。できるだけ起点と動作をセットにした名称にするとよいでしょう。 例えば、拠点が本社に出庫依頼することを「在庫移管依頼」、本社から出庫する作業を「本社出庫」、拠点倉庫に入庫された商品を確認する処理は「拠点入庫確認」、などといった具合です。 ちなみに、営業員が拠点倉庫から商品を出庫する処理は「拠点出庫」などとするのが適当と思われますが、これは在庫移管業務とは直接関係のない作業ですので、マニュアル上は切り分けて考えた方がよいでしょう。

マニュアル上の表現をどうするか

まず、業務名と作業名、動作や状態を表す一般名詞を混同しないよう留意する必要があります。(例えば「本社出庫」(名称)と一般名詞としての「出庫」など) その上で、以下の手順で解説するとよいでしょう。

  1. まず大枠の業務について概念を解説します。(例:「在庫移管業務」について)
  2. 作業が発生する場所ごとに、その内容と手順を解説します。(例」「本社での処理」「拠点での処理」)

なお、事例のように複数部門にまたがるような業務を解説する場合は、「本社出庫」「拠点出庫」などと起点と動作をセットにした正式名称を用いて解説すると誤解を避けることができます。
一方、作業の発生場所を限定した上で個別の作業を解説する場合は、すでに動作の起点が明らかですので、「出庫する」「入庫する」といった一般名詞を使って解説しても構いません。
例えば「拠点での処理」という見出し配下では、わざわざ「商品を拠点出庫します」などと言わなくても、「商品を出庫します」で十分です。

いかがでしょうか。マニュアルを整備する場合、まず概念定義を押さえるところから始め、適切な名称を用いることが大切です。
そして機会があれば、現在社内で使われている作業名が適切なのかどうか、もう一度検討されるとよいかもしれません。
いや、名称の前に、業務そのものを見直した方がいい場合もあります。そもそも「在庫移管業務」なんて非効率なことはやめようよ、とか......。

author : 上村典子 

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