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落とし物ぐせ


[よ] 日常生活

また大切なものをなくしてしまいました。
それは帽子、それも私と娘さくらの帽子を同時にです。
私の帽子は、今年の春に実家に帰省して母と買い物に行ったとき買ってもらったものです。
決して高いものでも良いものでもありませんが、久しぶりに親子でぶらぶらしていて私が一目ぼれしてしまいました。
「帽子なんてたくさん持ってるじゃない。今から子供にいくらでもお金が掛かるのよ、買わなくたって......」という母の言葉をさえぎり、その場でさっと試着してみると案外似合っていたらしく、
「あら、いいじゃない!お母さんが買ってあげるよ」といういきさつで手に入れました。
この年になって母に買ってもらうのもなんだか恥ずかしいのですが、遠く離れて暮らし普段はなかなか会えない母のやさしさと、ささやかな思い出も一緒にもらったようで大切に大切にしようと思いながら毎日かぶっていたのに。

私は小さいころからよく物をなくします。
心配性で持ち歩く荷物がやたらと多いため忘れ物をするということはあまりないのですが、多すぎてカバンから物があふれてしまい、逆に落としてしまいます。
子供のオムツや着替え、タオルやお茶におやつなどに加え、自分の荷物もあるためどんどん量が増えてしまい、ベビーカーを押しながらタオルなどを落としているようです。よく後ろから「これ、落としましたよ」と声を掛けられ、親切にも拾っていただきます。
落とすものは軽くて落ちても音がしないタオルや上着などが多く、鍵や財布などの貴重品は幸いまだありません。
でも、あの帽子だけは落としたくなかった。

なくした日は、子連れの友人3組と電車に乗って、デパートにある小さなテーマパークに行っていました。
ランチをとるため昼前には引き上げ店に入ったのですが、そこまではたしかあったような気がします。
店ではベビーカーを畳んでいたから、食事を終えてベビーカーを広げたとき落としたか、またはそのあとのトイレ?帰りの電車内?
気づいたのは家に帰ってからです。
仕事が休みで留守番をしていた夫におみやげのパンを渡そうと思ったら、パンがない!なぜ?どうして?
パンを探すうち、帽子もないことに気づきました。
いつもはずっとかぶっているのに、今日は駅に隣接したデパートに入っていたから帽子をかぶる必要がなく、家に着くまで気づかなかったようです。友人たちとずっとおしゃべりしていたので、注意力もいつもより散漫になっていたのでしょう。
ほかの帽子だったらあきらめたかもしれません。でもあの帽子だけはなくしたくない。
気づいてからすぐ、とりあえずマンションの周りだけでも探そうと財布だけ持ち靴をはきかけたら、後ろからさくらが追ってきます。
外は暑いし、子連れだと探すのには何かと不便。彼女には留守番をしてほしかったのですが、すでに靴をはこうとしゃがんでいるから仕方がありません。体重10キロ弱のさくらを抱きかかえ、玄関をあとにしました。
マンションの玄関、すぐ下の公園、駅に続く歩道......。思い当たる場所を探すのですが、帽子は見えません。
あの角まで行ってみよう!次の信号まで行ってみよう!帰りに寄ったスーパーで落とし物がなかったか聞いてみよう......。
気づくと駅まで来ていました。
途中、道の真ん中にお土産にするつもりだったパンが落ちていました。やはり落としていたようです。
私にとっては大事なパンでも、道行く人にはただのジャマな落とし物、小学生もそして猫さえも避けて通っていくのを見て、なんだか自分が情けなくなりました。拾うのは恥ずかしい、でもこのまま放っておいてごみにされてしまうのはもっと切ない。
誰にも見られないよう周りをうかがいつつ、こっそり拾ったのでした。

結局帰り道にも、立ち寄ったスーパーにも駅にも、デパートにもありませんでした。
とてもショックです。
大切な物をなくしたあとはいつも深く反省して、ときどき後ろを振り返ったりと気を付けるのですが、それもすぐに忘れてしまいます。なんて懲りない性分なんだろうと、次に物をなくしてまた反省する繰り返し。自分もそして周りも「またか」とあきれかえっています。
母になった今、さくらにまであきれられないよう、今回で少しでも改善されるといいのですが。

帽子
なくなったので、私とさくらおそろいの帽子を作ってしまいました。
これもなくしたくないものの一つです。
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